みなさんご存じのプリントごっこも孔版の原理が利用されていますが孔版印刷とは版にインキを付けて印刷するのではなく、版に穴をあけて、そこからインキを擦りつける方式になりますので多色刷りの場合は1色ずつ【印刷→乾燥】を繰り返すことになります。孔版で有名なものの1つに、シルクスクリーン印刷がありますが、以前は絹の上にインキをのせて非プリント部を乳化剤で覆いスキージと呼ばれる消しゴムのような物で擦って媒体の上にインキを落として印刷していたため頭にシルクが付いていました。現在は絹をあまり使いませんので単にスクリーン印刷と呼ばれることが一般的ですが、みなさん昔の名残でシルクと言われています。

現在は、100~300メッシュのテトロンや、ナイロンといった化学繊維、ステンレススチールの針金などで織ったスクリーンの目を用います。このスクリーンがステンシルと呼ばれる画像部が貫通した版になります。工程としては、アルミ材などでできた版枠に紗(しゃ)を張って乳剤をコーティングした後、透過ポジを貼り付けて、水銀灯で露光した後に現像して水洗いします。この露光されない部分が孔版となって、インキの転移部分になります。後はインキを枠内に入れてスキージ(ヘラ状のゴム板)で紗(スクリーン版・ステンシル)を上から加圧・移動させることによってインキは版膜のない部分を透過し、版の下に置かれた紙などの媒体に押し出されて印刷がされるといった仕組みです。

メリットは、印刷圧が低いためガラスやプラスチックはもちろん、樹脂や金属から布に至るまで大抵の素材に印刷できることが最大の魅力です。また、版面が柔軟に対応できるため平面に止まらず曲面にも印刷ができることやインキの種類が豊富であることに加え、インキ自体の層も凹版が十数ミクロン、平版のオフセットが1ミクロンの厚みであるのに対してシルクの場合は、5ミクロンから100ミクロンくらいの範囲で厚みを形成できることからTシャツに印刷をしたりCDのレーベルやガラスコップにも印刷できますし、最近では雑誌や販促物にも、シルクを使った視覚的効果に訴える印刷物をよく目にするようになりました。

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