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論文の製本種類の選択方法は?|卒論・修論・博論

最終更新日:2026年1月13日
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提出期限が迫る中で、聞き慣れない製本用語に戸惑っていませんか? 論文製本には大きく分けて「上製本」「無線綴じ(並製本)」「PUR製本」などの種類があり、提出先(大学や学会)の目的や、原稿のページ数によって選ぶべき種類が異なります。

この記事では、論文製本の種類の違いと、失敗しない選び方を解説します。価格や納期の比較はもちろん、データ作成時の注意点まで紹介します。

論文で使われる製本の種類とは?

論文の製本で使われる主要な3つの種類について、それぞれの仕様やメリットや注意点を詳しく解説します。

上製本(ハードカバー)

厚手のボール紙(芯材)を表紙の用紙(布クロスやレザークロスなど)でくるみ、さらに本文と接合する製本方法です。

  • 特徴: 重厚感・高級感があり、耐久性が非常に高い。表紙には金文字や銀文字の「箔押し」でタイトルを入れるのが一般的で、記念品や学術書に最適。
  • 主な用途: 博士論文、大学図書館への保存用(修士論文・卒業論文)、恩師への寄贈用。
  • メリット: 表紙が硬く頑丈なため長期保存に向いており、一生の記念になります。
  • 注意点: 工程が複雑なため、他の製本に比べて価格が高く、作成に時間がかかります。
  • 納期の目安: 20〜25日

無線綴じ製本(並製本・ソフトカバー)

本文の背を強力な糊で固め、厚手の用紙(レザック紙など)の表紙でくるむ製本方法です。「くるみ製本」とも呼ばれます。大学の指定が特になければ、コストを抑えつつ提出用として十分な体裁が整うので「無線綴じ(並製本)」がおすすめです。

  • 特徴: 雑誌や文庫本のような仕上がり。上製本に比べて軽量で、コストパフォーマンスに優れていまる。背表紙に「文字入れ」することができる。
  • 主な用途: 修士論文、卒業論文、配布用の論文、研究報告書。
  • メリット: 製本工程がシンプルなため低価格で、短納期での対応が可能。
  • 注意点: ページ数が多すぎると、ノド(綴じ目)が開きにくくなることがある。
  • 納期の目安: 3〜7日

PUR製本(広開本)

見た目は無線綴じと似ていますが、PUR(ポリウレタン反応型)という特殊な強力接着剤を使用した製本です。

  • 特徴: 従来の無線綴じよりも接着強度が非常に強く、かつ柔軟性がある。厚い冊子でもページをノド元まで大きく開くことができる。
  • 主な用途: ページ数が多い論文、図表を多く含み見開きで見せたい理系論文、頻繁にページを開く保存用資料。
  • メリット: ノド元まで開けるためコピーがとりやすく、耐久性も高いため長期保存に向いています。
  • 注意点: 特殊な接着剤を使用するため、通常の無線綴じに比べて費用が高く、納期も長くなります。
  • 納期の目安: 15〜20日

※価格はカラー印刷やページ数、部数、加工オプションによって変動します。
詳しい価格を知りたい場合は、本サイトの「簡単見積りフォーム」でご希望の仕様をご入力ください。

提出前に確認!大学の提出規定と入稿データ

どんなに立派な製本をしても、提出先の仕様ルールを満たしていなければ受理されません。入稿前に以下のポイントを必ずチェックしてください。

① 大学の提出要項(レギュレーション)を確認する

大学や学部ごとにルールが決められています。まずは提出要項を確認してから製本を行いましょう。

  • 表紙の色・素材: 「黒または濃紺の表紙」、「文字は白文字、金文字または銀文字」や「ハードカバー」と指定されるケースがある。
  • 記載事項: 題目、氏名、年度、指導教員名などの配置レイアウト。
  • 製本段階: 予備審査(仮製本でOK)と本審査(上製本必須)で仕様が異なる場合がある。

② 入稿データを確認する(余白・PDF)

印刷会社にデータを送る際、以下の不備があると印刷トラブルの原因になります。以下の点に十分注意して作業してください。

  • 原稿のサイズ: A4やB5などの設定に間違いがないか、改めてご確認ください。
  • 余白(ノド)の設定: 製本すると、ページの内側(綴じ目)は見えにくくなります。本文のレイアウトでは、ノド側の余白を20mm程度確保してください。ここが狭いと、文字が綴じ目に食い込んで読めなくなります。
  • PDF入稿が基本: WordやPowerPointのまま入稿すると、PC環境の違いでレイアウトが崩れたり文字化けしたりします。必ずフォントを埋め込んだPDF形式で保存し、そのデータを入稿してください。
  • 個人情報保護: 論文内にアンケート対象者の氏名などの公開すべきでない個人情報が含まれていないか、最終チェックを行う作業も重要です。

データの準備ができたら入稿ですが、方法には大きく分けて「店舗」への持ち込みと「WEB入稿」の2種類があります。大学近くの印刷ショップなどの実店舗は、対面で相談できる安心感がある一方、営業時間に合わせる必要や、混雑時に受付で待たされる場合があります。対してWEB入稿は、店舗まで移動する手間がなく、窓口で待つ時間も少ないのがメリットです。ご自身の状況に合わせて使い分けると良いでしょう。

学位・用途別 失敗しない製本方法の選び方

基本的には、大学の提出要項で指定された方法で製本を行ってください。ここでは、提出要項に従った上で製本方法をどのように選ぶかという基準をご提案します。

卒業論文(学部生)の場合

  • 大学の指定がなければ「無線綴じ(並製本)」が一般的です。コストを抑えつつ、提出用として十分な体裁が整います。
  •  ページ数が少ない(50ページ以下)場合は、より安価な「中綴じ」という手もあります。
  •  一生に一度の卒論を綺麗に残したい場合は、「上製本」にするのも人気です。

修士論文・博士論文(大学院生)の場合

  • 修士論文: 研究室保管用として、しっかりとした「無線綴じ」または「PUR製本」が選ばれます。
  • 博士論文: 大学図書館などでの長期保存のため、耐久性に優れた「上製本(ハードカバー)」を指定されることが多いです。 ※ただし、審査段階(下書き)では簡易製本で良い場合やデータ提出でも良い大学もあります。必ず「最終提出(保存用)」の要項を確認してください。

ページ数と「背表紙」の厚みに注意

製本選びで見落としがちなのが、原稿のページ数(紙の厚み)です。 無線綴じや上製本では、背表紙にタイトルや氏名を印刷しますが、そのためにはある程度の厚み(背幅)が必要です。

  • 背文字を入れる条件: 一般的に背幅が3mm〜5mm以上必要。
  • ページ数の目安: 一般的に使用される上質紙 A版 44.5kgの厚みは0.1mm。両面印刷で約60〜100ページ以上ないと、背表紙に文字が入りきらない可能性がある。
  • 対策: ページ数が少ないときは、「背文字なし」のデザインにするか、どうしても文字入れしたい場合は、用紙を厚めのものに変更して調整。

自分で製本 vs 業者に製本を依頼

「市販の製本キットで安く済ませるか、業者に製本を頼んで綺麗に仕上げるか」迷いますよね。それぞれの特徴を見てみましょう。

自分で製本する: 文具店でキットを購入し、自分で印刷した紙を綴じる方法です。

  • メリット: 安い、即日完成。
  • デメリット: 手作り感が出る、強度が低い、手間がかかる。
  • 注意: 「簡易製本不可」の大学では受理されない。

業者に製本を依頼する:データを送って、印刷から製本まで任せる方法です。

  • メリット: 書店に並ぶような美しい仕上がり、手間がかからない、規定対応も安心。
  • 注意点: 費用がかかる(数千円〜)、納期がかかる。

まとめ

論文製本の種類選びに迷ったら、提出要項に従った上で、以下の基準で選んでみてください。

  • 博士論文・保存用 → 上製本(長期保存・高耐久)
  • 修士/卒論・提出用 → 無線綴じ(標準的・コスパ良)
  • 150ページ以上の厚い論文 → PUR製本(開きやすい・丈夫)

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