卒論の製本方法と注意点を解説!
論文の執筆後、ゴール目前で意外とつまずきやすいのが「製本」です。
せっかく素晴らしい内容の論文が書けても、製本方法を間違えたり、データに不備があったりすると、最悪の場合「受理されない(再提出)」というリスクもあります。
この記事では、卒論の製本方法の正しい選び方、製本に失敗しないための5つの注意点、そして業者に製本を依頼する際の流れを解説します。
まず確認!卒論製本の「方法」と「種類」の選び方
論文製本には大きく分けて「上製本」と「並製本」の2種類があり、提出先の製本に関するルールによって選ぶべき種類が異なります。
大学の「提出要項」確認が最優先
製本方法を選ぶ上で最も重要なのは、所属する大学が定めた「執筆・提出要項」の製本に関する部分をよく確認することです。
以下のような細かい指定がないか、必ずチェックしてください。
- 製本方法: 「上製本(ハードカバー)」か「簡易製本不可」かなど。
- 表紙の色・素材: 「黒表紙に金文字」など具体的な指定がある大学もあります。
- 背表紙: 文字の向き(縦書き・横書き)など。
自己判断で進めると、規定違反で作り直しになる可能性があります。
主な製本方法は2種類(上製本・並製本)
① 上製本(ハードカバー)
- 芯材に厚紙(ボール紙)を使った、硬くて丈夫な表紙で本文を包む製本方法。
- 特徴: 高級感があり、耐久性が非常に高い。
- 用途: 博士論文、大学図書館に保存する蔵書用、記念品。
- 注意: 製本に時間がかかり、製本費用も高め。
② 並製本(ソフトカバー・くるみ製本)
- 強力な糊で背表紙ごと本文をくるむ製本方法で、無線綴じとも呼ばれる。文庫本や雑誌のような仕上がり。
- 特徴: 軽くて扱いやすく、コストパフォーマンスに優れている。
- 用途: 卒業論文、修士論文の提出用、配布用。
- 注意: 上製本に比べると耐久性は劣るが、提出用としては一般的。
※注意:テープ製本(簡易製本・仮製本)について
文房具店などで買えるテープで留めるだけの簡易製本は、耐久性が低く、正式な「論文提出」としては認められないケースが多いため注意が必要です。
製本方法に指定がなければ、以下の基準を参考にしてください。
- 長期保存したい・図書館に収蔵される・博士論文である
→ 【上製本(ハードカバー)】 がおすすめ。 - 提出用として一般的で良い・コストを抑えたい・時間がない
→ 【並製本(ソフトカバー)】 がおすすめ。
再提出を防ぐ!卒論製本「5つの注意点」とデータ作成
製本方法が決まっても、「入稿データ(原稿)」に不備があると印刷や製本に進めません。ここでは、多くの学生が陥りやすい5つのミスと対策を解説します。
①「余白(ノド)」の設定
製本時に綴じられるページの内側部分を「ノド」と呼びます。このノド部分の余白が不足していると、ページを開いたときに文字が隠れて読めなくなってしまいます。
対策: 余白は最低でも上下左右15mm以上、ノド側は20mm以上確保することを推奨します。Wordの『レイアウト』タブ>『余白』から設定できます
印刷・製本業者によって入稿データのルールが異なることが多いので注文時に確認しましょう。
②必ず「PDF形式」で保存・フォントを埋め込む
WordやPowerPoint形式のまま印刷会社に入稿するのは危険です。別のPCで開いた際にレイアウトが崩れれ、図表の位置がずれたり文字化けしたりするリスクが高いためです。
- 対策: 必ずPDF形式に変換して入稿しましょう。
- 重要: PDF作成時に「フォントを埋め込む」設定になっているか必ず確認してください。Wordでフォントを埋め込むには、Windowsの場合、「ファイル」>「オプション」>「保存」から「ファイルにフォントを埋め込む」にチェックを入れます。Macでは「Word」>「環境設定」>「出力と共有」>「保存」で設定します。
③ページ数と「背表紙(背幅)」の関係
論文の製本で「背表紙に論文タイトルを入れたい」と思っていても、ページ数が少ないと文字が入らない場合があります。背表紙に文字を印刷するには、一般的に背幅が3mm〜5mm以上必要です。
例えば、論文の印刷製本でよく使用される上質紙 (A4版44.5kg) は厚さ0.1mm程度なので、両面印刷で約60〜100ページ以上必要です。
ページ数が少ない場合は、表紙のみにタイトルを印刷する、厚めの紙を使用する、などの対策があります。
④片面印刷か両面印刷かを確認
大学の製本方法の規定で「片面印刷」か「両面印刷」かが指定されている場合があります。
標準は「上質紙 A版 44.5kg」
論文製本では一般的に「上質紙 A版44.5kg」(厚さ約0.1mm)という紙が標準的に使われます。これは教科書や文庫本の製本などでも使われる一般的な厚みで、両面印刷でも多くの場合はこの標準用紙で製本されます。
「透け」が気になるなら厚手を選択
標準の厚さ(44.5kg)でも、光の加減や文字の濃さによっては、裏側の文字がうっすら透けて見えることがあります。印刷・製本のプロから見れば、問題ない仕様であることがほとんどですが、もし「裏側の文字が透けるのを極力防ぎたい」「よりしっかりした厚みで高級感を出したい」という場合は、一段階厚い「上質57.5kg」などを指定することをお勧めします。
⑤スケジュールの逆算(繁忙期に注意)
卒論提出シーズンの1月〜2月は、印刷・製本業界の繁忙期であり、多くの業者が注文の受付や印刷製本の作業に追われます。通常より納期が長くかかったり、希望納期が埋まってしまったりする可能性があります。
特に「上製本」は乾燥工程などで時間がかかるため、提出期限に余裕をもってご依頼いただいたほうが安全です。価格・納期については専門業者のウェブサイトを確認し、必要であれば資料請求や直接のお問合せをしてください。
「自分で製本」vs「業者に製本を依頼」値段と手間を比較
「業者に製本を依頼するより、自分で製本キットを買って製本した方が安いのでは?」と考える方もいるでしょう。自分で製本する場合と、専門業者に製本を依頼する場合を比較しました。
自分で製本
メリット
- 製本費用が安い
- 即日で完成
注意点:
- 製本に手間と時間がかかる(コピー用紙の束をきれいに揃えるだけも一苦労です。)
- 耐久性が低くく、仕上がりの見栄えが劣る
- 失敗のリスクがある
- 大学によっては受理されない可能性がある
専門業者に製本を依頼
メリット
- 製本の仕上がりが美しく、長期保存にも耐える
- データをアップロードして待つだけで製本の手間が少ない
- 大学基準を満たした製本が可能
注意点
- 製本の納期が長い
- 製本費用がかかる
「自分で製本」は一見手軽ですが、失敗して材料を買い直したり、慣れない作業に数時間を費やすコストを考えると、必ずしもお得とは言えません。論文は一生残るあなたの研究成果です。迷ったら、業者に製本を依頼することをおすすめします。
業者に依頼する場合の一般的な「流れ」
初めて製本業者を利用するお客様のために、注文から納品までの流れを簡単にご紹介します。
- 仕様の決定と見積り:製本タイプ、部数、ページ数、用紙サイズ(A4など)を決め、見積もりを依頼し、価格を確認します。
- データの用意・入稿:完成した論文のPDFデータを用意し、業者の指定する方法で送信します。
- 印刷・製本作業:業者がデータを確認し、問題なければ製造工程に入ります。繁忙期中は時間がかかる場合があるため注意が必要です。
- 納品・支払い:完成した論文が手元に届きます。特定商取引法に基づく表記などを事前に確認し、信頼できる業者を選びましょう。
論文の製本・印刷のことならSOUBUN.COM
SOUBUN.COMは、学術誌や論文の印刷・製本を専門に、80年の歴史があります。お客様の論文製本に関連する様々なご要望に対応いたします。卒業論文の製本・印刷のことでお困りのことがありましたら、ぜひお気軽にSOUBUN.COMまでお問合せください。
よくある質問
お客様からいただくことの多い質問をまとめました。
見積後すぐに発注しなくてもいいですか?
はい。有効期限(発行から1ヶ月)内ならいつでも発注できます。 ただし、納期希望がある場合は早めの発注をお勧めします。
一部だけ変更して発注できますか?
はい。数量のみ変更なども可能です。 金額が変わる場合は新しい見積書をお送りします。
データ未完成でも発注できますか?
はい。ただし印刷はデータ入稿・確認後の開始となります。 納期希望がある場合は、データ入稿予定日もお知らせください。
発注後のキャンセルは可能ですか?
印刷開始前にご連絡いただければキャンセルを承ります。 開始後は進行状況によりキャンセル料が発生します。 詳しくはお問合せください。
