紀要の定義とは
紀要とは、大学や研究機関などが出している、大学教員や研究員の研究内容が書かれた論文が掲載された定期刊行物のことです。査読を行わないため、論文を投稿してから短い期間で公開される場合が多いことが特徴です。
紀要電子化の利点
紀要を電子化することで得られるメリットは6つあります。
①アクセスの容易さ
インターネットを通じて紀要にアクセスできるため、保管場所に行って紀要を探す必要がなくなります。
②劣化・滅失しない
紙の紀要は、年月を経るごとに劣化していきます。また地震・火事等の自然災害があると、最悪の場合滅失してしまう可能性があります。一方で電子化した紀要はデータが残っているかぎりは滅失する可能性はなく、継承が容易です。
③印刷・製本コスト削減
紙の紀要で不可欠な印刷・製本の過程は電子化した紀要では必要ありません。そのため、このプロセスに関連したコストをまるごと削減できます。
④環境への負荷軽減
紙を使用しないため、環境への負荷を減らすことができます。
⑤スペースの確保・保管費の削減
紙の紀要は保管場所が必要であるため、過去の紀要を保管し続けようとすると膨大なスペースを必要とすることになります。紀要を電子化することで保管スペースと関連した費用を削減することが可能です。
⑥データの整理が簡単に(紀要を保管する部署・組織の業務負担の軽減)
オンラインデータベースや検索システムを通じて紀要を容易に整理・検索できるようになります。これによって紀要を保管する部署・組織の負担を軽減することが可能です。
紀要電子化の障害
このように、紀要電子化には多くの長所があります。しかし一方で、紀要の電子化には難しい問題もあるのです。
①電子化を行うための技術的制約
質の高いスキャンやデジタル化を行うには、専門技術や機器を必要とします。また、古い文書や写真など特殊な素材のデジタル化には特別な機器や方法が必要となる可能性があります。
②電子化を行った後の保存・管理の問題
デジタルデータの長期保存やアクセスにはしっかりとした管理が不可欠です。管理を怠ると、データ損失のリスクやセキュリティ上の問題が発生するおそれがあります。
③著作権の問題
特に過去の紀要の中には、著作権の所在が不明確な場合があります。紀要を電子化すると、その内容はサーバー上に保管されます。これは著作権法の「複製」「公衆送信」にあたるため、論文執筆者の許諾なく電子化を行うと、トラブルが発生するおそれがあります。
SOUBUN.COMの紀要電子化サービス
SOUBUN.COMでは前述した紀要電子化に関しての問題点を一定程度解決することができます。
・SOUBUN.COMは高度な技術と豊富な経験を保有
SOUBUN.COMでは紀要電子化の豊富な実績を持つ専門スタッフが対応いたします。また、弊社ではOCR機能を用いて電子化を行います。OCRとは、画像として表示されている文章を文字データとして変換する技術のことです。SOUBUN.COMの紀要電子化サービスではこのOCR機能によって、より高度な文字検索を行うことが可能となっています。
・公開範囲や閲覧者を制限できる
学内(研究機関内)のみで紀要を公開したい著者がいる場合にも、紀要の公開範囲や閲覧者を制限できるため安心です。
※著作権の問題に関しては、紀要を発行する機関(大学・研究機関等)が事前に紀要の電子化についてアナウンスし、著者の承諾を得る場合が多いです。組織のHPやメール等でアナウンスを行うとよいでしょう。その際、許諾してもらえない場合の対応も併記することが重要です。(アナウンス例:「許諾をいただけない場合は、以下の連絡先に⚫︎年⚫︎月⚫︎日までにご連絡ください。ご連絡がない場合は、許諾をいただけたものとして紀要の電子化を進めさせていただきます」)
・電子ジャーナルへの登載も対応
電子化した紀要をweb上で公開する以外に、大学図書館のリポジトリとのデータの併用や電子書籍の形式での公開といった方法にも対応いたします。弊社では電子化する紀要のデータからJ-STAGE搭載等の電子ジャーナル化も承っております。
お問い合わせ・ご依頼はこちら
SOUBUN.COMは、学会サポート企業として80年以上の実績と経験があります。学会誌・紀要サポート事業としては、学会誌・紀要の編集、査読管理、電子ジャーナル掲載などをご支援しております。紀要の電子化、学会誌の制作についてご興味のある方は、お気軽にお問合せください。ご質問やコストの見積もりなどにもご対応いたします。