コンテンツに付与される国際的識別子「DOI」とは? 調べ方と取得方法も紹介

ほとんどの学術論文が電子化されてインターネット上で閲覧できるようになった今、URLの変更に影響されず永続的に文献にたどり着ける識別子「DOI」は不可欠なものです。そのDOIの仕組みや登録方法を紹介します

コンテンツのリンク切れを防止できるDOIとは?

DOI(Digital Object Identifier)は、インターネット上にある電子化されたコンテンツに付与される国際的なデジタルオブジェクト識別子です。学術論文や研究データは長く引用され続けるため、電子コンテンツはリンク切れせずアクセスできることが重要です。URLだけで管理するとリンク切れのリスクがあるため、永続的なアクセスを保つ仕組みとしてDOIが考案されました。論文の掲載先のサイトが引っ越しなどのためリンク切れとなってもDOIがわかればたどり着けるというメリットがあります。

国際DOI財団が認定するDOIの登録機関はRA(Registration Agency)と呼ばれ、2020年3月現在で世界に10機関あります。日本のジャパンリンクセンター(JaLC)もその一つです。JaLCの設立により、日本発学術コンテンツのDOI登録が促進されると期待されています。

DOIの仕組みとは?

DOIは、各登録機関が持つ固有の「10.」で始まるプレフィックスと、コンテンツを特定するサフィックスを「/」で繋ぐ形で表されます。DOIの前に「https://doi.org/」をつけることでURLとして機能し、ブラウザに入力するとコンテンツのあるURLにリダイレクトされます。

この機能は、DOIを管理するデータベースに、コンテンツの持つDOIと所在情報(URL)がペアで保管され、DOIを問い合わせるとペアのURLを返すという仕組みによるものです。

コンテンツがあるURLを変更した場合、DOIのペアのURL情報を更新することで、新しいURLを知らない人でもDOIを知っていればコンテンツにたどり着くことができます。ただし、登録者がデータの更新を怠るとせっかくの機能が無駄となるので情報の更新は忘れずにしましょう。

DOIを取得するには?

データ化されたコンテンツを持つジャーナルで、インターネット上にそのコンテンツを表しアクセスできるランディングページがあれば、DOIが取得できます。ランディングページは自社サイトのほか、プラットフォームのサイトなどでも構いません。

論文にDOIを取得するには、以下の手順が必要です。
1.いずれかのDOI登録機関(RA)の会員となる
日本の研究者になじみが深いのは、学術コンテンツを扱うCrossref、研究データを扱うDataCiteの2つでしょう。JaLCは日本の機関なので、言葉の心配がないことが利点です。

RAによりポリシーが異なるので、インターネットなどで調べ、登録したいコンテンツに最も合うRAを選びましょう。

2.コンテンツのDOIとURLとメタデータを登録する
コンテンツの主な登録方法3つを、JaLCを例として説明します。
・JaLCのWebから1件ずつ登録
・決められたフォーマットで作成したXMLファイルをアップロードして複数件を一括で登録
・APIを使って自社・自機関のシステムと連動させ、自動化させて登録
このうち最も一般的なのはXMLファイルによる方法で、たとえば月刊誌一冊分の論文を一度に登録できます。

3.DOIの維持管理
URLやメタデータに変更があった場合はペアとなるすべてのDOIの登録情報を更新し、常に正しい情報を維持します。

4.費用の支払い
登録機関によって年会費や一件ごとの登録費など、DOIの取得費用は異なります。なお、JaLCでは登録費はかからず、正会員のみ年会費(条件により2万~36万円以上)がかかります。

JaLCならCrossrefとDataCiteのDOIも選択できる

JaLCは、RAであると同時にCrossrefやDataCiteの会員でもあるため、JaLCの会員になると自動的にそれらの機関の副会員になります。そうなると、CrossrefのDOIやDataCiteのDOIを付与することも可能になります。

JaLCでは「ジャーナル論文」「書籍・報告書」「研究データ」「e-larning」「汎用データ」の5つのコンテンツタイプを登録でき、ジャーナル論文と書籍・報告書はCrossref、研究データはDataCiteのDOIを選ぶことができます。
またJaLCには正会員と準会員があり、DOI永続性担保義務を負いデータ管理ができる場合は正会員、他のサイトなどにデータの維持管理を代行してもらう場合は準会員を選びます。

例えば、公開サイトを持っていない場合、正会員であるJ-STAGE(審査あり)のサイトで公開することで自動的に準会員となり、無料でDOIを付与できます。

JaLCへの登録代行サービスを利用しても

自社・自機関のホームページにデジタルコンテンツがアップされている場合、正会員として登録するだけでホームページに直接リンクされるメリットがあります。とはいえDOIの永続的な維持管理はなかなか負担が大きいものです。その場合は、SOUBUN.COMが提供する JaLCへの登録代行サービスの利用を検討してもよいでしょう。外部に管理を任せることで、自社のスタッフが変わった場合でも継続してデータを維持管理できます。

論文の参考文献探しに役立つDOIの活用法

論文の執筆には参考文献の記載は欠かせません。参考文献の検索方法には、タイトルや著者名、発行年や掲載誌などを頼りに地道に検索する必要がありましたが、DOIが付与されるようになったことにより、クリックするだけで当該の文献にリンクできるようになりました。
DOIを有効活用するために、参考文献リストを作成する際、DOIを持つ文献の場合は文献情報としてDOIを必ず表記しましょう。読者が文献を探す手間が省けます。

参考文献のDOI番号を検索する方法

DOIシステムが確立したのは2000年以降なので、それ以前の文献には基本的にDOIはありません。2000年以降の文献でも、DOIが付与されているものとないものがあり、文献にたどり着くまでその文献にDOIが付与されているかどうかはわかりません。
たどり着いた文献にDOIが付与されている場合は記載があるはずですが、DOIの有無がはっきりしない場合は、各登録機関のサイトで文献情報やDOIを調べることも可能です。
以下のサイトを活用してみましょう。

・海外の文献のDOI検索「free DOI lookup」 http://www.crossref.org/guestquery/
・ほとんどの学術論文や学会抄録でDOIを登録している「Crossref」 https://www.crossref.org/
・国内の論文なら「JaLC」 https://japanlinkcenter.org/app/pub/search/

DOI番号から文献を検索する方法

先述した通り、DOI番号が分かっている場合はDOIの前に「https://doi.org/」をつけることで文献のURLにリンクできます。万一リンクできない場合は、「Crossref」や「JaLC」でDOIから文献を検索してみましょう。

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