Web上で閲覧可能な雑誌「電子ジャーナル」とは?その種類と活用法も紹介

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論文の参考文献として利用できる「電子ジャーナル」
本記事は、その歴史やメリット、デメリットとともに、無料で閲覧できるシステムや検索方法について紹介しています。

電子ジャーナルとは?

「電子ジャーナル」は、紙媒体の学術雑誌を電子化したものを指します。パソコンをはじめとしたインターネットで論文などの文献を閲覧できる点が特徴で、海外で発表された英語の論文を読むことも可能です。以前はプリントされたものやCD−ROMで作成されていましたが、現在はオンライン化が進み、これらは「オンライン・ジャーナル」と呼ばれることもあります。

電子ジャーナルは、1990年頃に学協会・出版社・大学の協同プロジェクトとして始動したことがきっかけで研究が進められました。90年代後半には海外大手商業出版社によって本格的に提供が開始し、2000年前後になると日本でも取引が開始され、それ以降、学会などを始めとして徐々に普及した歴史があります。

ファイルはPDF形式とHTML形式があり、前者は紙面で読む場合と変わらないページイメージで、印刷して読むことが推奨されています。閲覧には専用ソフトが必要です。一方、後者は図表などが縮小されて表示され、web上での閲覧に適しています。

メリットとデメリット

電子ジャーナルはパソコンやipad、スマートフォンなどがあれば、その場ですぐに検索できるというメリットがありますが、同時に利用するためには契約が必要です。また、契約によっては保存ができないといったデメリットもあります。

以下に電子ジャーナルのメリットとデメリットをご案内しております。ぜひ利用する際の参考にしてください。

【メリット】
・学内図書館外を含めて24時間利用可能
・複数人による同時閲覧が可能
・雑誌の出版よりも早く文献を読める場合もある
・文献や書誌データーベースのリンクや全文検索により関連文献の検索がスムーズになる

【デメリット(注意点)】
・ネットワーク環境の不具合やメンテナンスなどにより利用できなくなる可能性がある
・買い切り契約を除き、利用契約が終了すると閲覧不可となる。
・契約によっては保存できないこともある。
・閲覧するためにはパソコンやソフトの操作が必要

電子ジャーナルを検索する方法

時代とともに利便性が高まる電子ジャーナルについて、ここからは具体的な検索の方法について紹介していきます。

検索方法①検索ツールを使っての検索

・ScienceDirect(https://www.sciencedirect.com/)
理工学と医学学術情報に特化した検索エンジンです。オランダのElsevier(エルゼビア)社が提供しています。Web上全般を対象にした検索ができる点や、テキストファイル以外のファイルの検索も無料で利用可能な点が特徴です。サイトにアクセスし、キーワードや論文著者名、タイトルなどを入力すると調べられます。

・NII-REO(NII電子リソースリポジトリ)(試験運用)(https://reo.nii.ac.jp/oja/)
電子ジャーナルの横断検索ができるシステムとして、国立情報学研究所が試験運用しています。電子ジャーナルコンテンツと人文社会科学系の電子コレクションについて横断検索が可能です。書誌情報・抄録までの閲覧は制限なしでできるものの、本文に関しては出版社との契約が必要になるため、注意してください。

検索方法②図書館のデーターベースからの検索

大学附属図書館や公立図書館の公式サイトから検索が可能です。国立国会図書館の検索ページ(https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/database)では、収蔵している電子ジャーナルを検索できます。
国立国会図書館オンラインで検索した電子ジャーナルのうち、インターネットで無料公開されているものに関しては自宅などどこからでもダウンロード可能です。
一方、契約有料電子ジャーナルは国立国会図書館の館内でのみ閲覧できます。なお、掲載誌名や論文名などが分かる場合は、日本国内在住の個人のみ遠隔複写サービスを利用することも可能です。

無料で閲覧可能なオープンアクセスジャーナルとは?

オープンアクセスジャーナルとは、利用者がオンライン上で無料閲覧でき、著作権や使用権制限などを受けない、査読して受理された文献のことを指します。出版費用は論文の著者によって支払われるため、閲覧者は無料で論文を閲覧できるのです。学術研究の知名度を高めたり、タイムリーに研究結果を共有できたりするなどのメリットがある一方で論文出版料金の収入を目当てに詐欺的な行為を行う悪徳なオープンアクセス出版社が出現しているというデメリットがあります。このような出版社と関係を持つと、論文掲載後に追加費用を迫られる可能性もあるため、気をつけなくてはいけません。

オープンアクセスジャーナルを検索できるサイト

ここではオープンジャーナルを検索できる代表的なサイトを4つ紹介します。

・OpenAIRE (https://explore.openaire.eu)
EUが進めるHorizon 2020傘下の非営利組織で世界中のデータを収集しています。サイトの検索窓にキーワードを入れ、検索ボタンをクリックすると結果が表示されます。

・IRDB(https://irdb.nii.ac.jp
IRDBは、学術機関リポジトリデータベースのことで国立情報学研究所によって提供されたサービス。2019年4月にJAIROを統合し正式公開しました。キーワード検索のほか、詳細検索も可能です。

・Web of Science (https://apps.webofknowledge.com)
クラリベイト社が提供する世界随一の学術情報プラットフォームです。検索窓にキーワードを入力し、検索フィールドを選択した後に検索ボタンをクリックすることで結果が表示されます。利用にはユーザー会員登録が必要ですが、会員登録することで使える機能が多くなります。

・Publicly Available Content Database (https://search.proquest.com/publiccontent)
雑誌記事のみならず、学位論文やプレプリントなども検索することが可能です。利用するには、ProQuestアカウントの会員登録をするか、所属機関の特定のため、キャンパス内もしくは図書館経由でログインしなければいけません。

Google Scholarでオープンアクセスジャーナルを検索する方法

オンラインで世界中の論文を検索することができるGoogle Scholar。オープンアクセスであれば、論文タイルの横に「PDF」の表示が出ます。この部分をクリックすれば無料でダウンロード可能です。
ただ、オープンアクセスとして表示されなかったり、論文の一部のみがダウンロードできるようになっているものもあります。そのような場合は、探している論文がどこでフリーアクセス又は全文ダウンロード可能となっているのか探してくれるプラグインを利用すると便利です。
ここでは有名なものを2つ紹介します。いずれもChrome、Firefoxに対応しています。

①Unpaywall(http://unpaywall.org/)
出版社サイトにアクセスした際に表示されるアイコンの色で全文の閲覧が可能かどうか、一目で判別可能な機能がついています。Unpaywallにアクセスし、トップページの「GET THE EXTENSION」をクリック、さらに「ADD TO CHROME(又はFIREFOX)」をクリックすることで使用できます。

②Kopernio(https://kopernio.com/?lang=ja)
検索した際に全文PDFのリンクが表示される機能があります。利用にはアカウントの会員登録が必要で、Kopernioにアクセスし、トップページのAddボタンをクリックした後は「Free PDFs only」と「Create an account」を順にクリックし、必要事項を入力すれば使用できます。

全論文をオープンアクセスにしているジャーナル

最後に、掲載されている全論文がオープンアクセスできるジャーナルをご紹介します。

【科学・生物化学・分子生物学】
・PLoS (Public Library of Science)( https://plos.org/)
完全なオープンアクセスジャーナルとして有名な検索サイトです。生物学や遺伝学など、科学と医学分野の論文を掲載しています。
・Nature Communications(https://www.nature.com/ncomms/)
『Nature』の姉妹誌であり、地球・環境科学や健康科学などの論文を扱っています。

【数理系】
・arXiv(https://arxiv.org/)
数理系のオープンアクセスジャーナルとして有名で、数学や統計、システム科学などの論文を扱っています。

まとめ

電子ジャーナルの活用は、研究をよりスムーズに進める上でも重要な役割があります。あらゆる論文を無料で閲覧できるサイトもあるため、自分自身の学問分野に合ったサービスを選択し、研究に活用してみてください。

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