Web of Scienceの「Emerging Sources Citation Index (ESCI)」とは

科学研究分野の権威あるプラットフォームであるWeb of ScienceのWoS Core Collectionに新データベースESCIが加わったことで、より収載基準の間口と収載の可能性が広がりました。その概要と申請方法について詳しく説明します。

Web of Scienceの新データベースESCIとは?

ESCIとは「Emerging Sources Citation Index」の略で、クラリベイト・アナリティクス社が提供する「Web of Science Core Collection」(WoS Core Collection)のひとつとして、2015年に新しく加えられた引用索引ファイルです。

ESCIが収載対象としているのは、特定の地域や分野の中で学術コミュニティーに認知されている重要なジャーナルや、新しく注目されている分野で今後も存在感の増大が期待されるジャーナルです。このようなジャーナルは、学術的に重要でも歴史が浅いために論文数も少なく、厳格な審査基準を持つ既存のWoS Core Collectionでは収載対象となりませんでした。

しかし近年、学術コミュニティーが多様化し、新しく多様なジャーナルも含めたデータベースを求める声も次第に高くなってきました。

その声にこたえるため、WoS Core Collectionは新たな引用索引ファイルESCIを2015年に創設しました。2017年にはESCIの収載ジャーナル数を5,000誌から7,500誌以上に増やし、10年分のアーカイブを公開するなど大幅に拡大されています。

科学研究の権威あるプラットフォーム「Web of Science(WoS)」

ESCIが属するWoS Core Collectionとは、2020年現在で以下の8つの引用索引ファイルからなる引用索引ファイル群の総称です。
1. 自然科学分野ジャーナルを収載源とするScience Citation Index Expanded(SCIE)
2. 社会科学分野ジャーナルを収載源とするSocial Sciences Citation Index(SSCI)
3. 人文科学分野ジャーナルを収載源とするArts & Humanities Citation Index(AHCI)
4. 科学分野の会議録を収載源とするConference Proceedings Citation Index – Science(CPCI-S)
5. 社会科学分野の会議録を収載源とするConference Proceedings Citation Index – Social Science & Humanities(CPCI-SSH)
6. 科学分野の専門書を収載源とする Book Citation Index – Science(BKCI-S)
7. 社会科学分野の専門書を収載源とするBook Citation Index – Social Sciences & Humanities(BKCI-SSH)
8.特定の地域で注目され今後発展が期待される分野のジャーナルを収載源とするEmerging Sources Citation Index(ESCI)

これらの引用索引ファイルを含むWoS Core Collectionには独自のプラットフォーム「Web of Science(WoS)」があります。WoS Core Collectionに収載された文献データは、このWoS上で提供され、複数の引用索引ファイルを同時検索したり、任意に選択したファイルのみを検索したりすることができます。

WoSには、WoS Core Collectionを中心として、特許、研究データ、専門データベースのほか各国・地域から独自に提供されたデータベースなど多彩なデータが搭載され、科学研究分野プラットフォームの最高峰と言われています。

より間口が広げられたESCIの収載の審査基準

WoS Core Collection は、クラリベイト・アナリティクス社の前身であるInstitute for Scientific Information(ISI)社が1964年に世界で初めて実用化させた引用索引「Science Citation Index(SCI)」をもとに、学術の発展に合わせて進化させたものです。

WoS Core Collectionとしてリリースした当初600誌であった収載対象は、2017年には1万2,500誌と大きく増加しました。それでも収載のポリシーや基準は変わらず、審査には高い基準を保っています。

ESCIの収載にあたっても、WoS Core Collectionのデータの質を維持するため、以下の5項目について同じ基準を適用することにしました。
・査読を実施している
・学術コミュニティーの要望や関心を反映した独自性のある内容である
・英語による書誌事項および抄録、引用文献などを含む
・コンテンツを電子ファイル(XMLまたはPDF)で入手できる
・出版倫理の基準をもち順守している

この5項目以外は、ESCIの創設の目的に沿って新しい分野のジャーナルを柔軟に採択した結果、2017年までにESCIの採択率は60%になっています。従来の評価基準に基づくWoS Core Collectionへの採択率は10~12% 程度だったので、かなり間口が広がったことが分かります。

また、従来のWoS Core Collectionでは、2017年時点の収載ジャーナルの出版国分布はヨーロッパと北米で87%、アジアは8%、ロシア・中南米・アフリカを合わせて5%とかなりの偏りがありました。
一方ESCIでは、ヨーロッパと北米は69%、アジアは15%で、新興国のジャーナルの割合も増加しており、WoS Core Collection全体の地域格差の是正にも一役買っています。日本のジャーナルの収載数も飛躍的に伸びています。(参考: 新引用索引ファイルEmerging Sources Citation Index(ESCI)の概要https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/60/7/60_502/_pdf)

なお、研究者にとって気になるジャーナルへのインパクトファクター(IF)については、ESCIに収載されただけでは付与されません。もともとIFはWoS Core Collectionの中でもSCI-EとSSCIに収載されたジャーナルにのみ付与されるものです。しかし、ESCIに収載されたジャーナルがSCI-EやSSCIの収載ジャーナルを引用することによって、IFやほかの評価指標に影響を与えることができます。

ESCIの収載のための申請方法とプロセス

すべてのWeb of Scienceにおいて、申請者はまずESCIへの収載を審査されることになり、ESCIは予備審査的役割を果たしています。ESCIへの収載を申請するには、前述の5項目の条件を満たしている必要があります。条件を満たしていれば、審査を申請することができます。
そのため、以下の3点で、従来の審査プロセスが変更されました。
1. 創刊号を公開と同時にいつでも申請ができる
2. 審査は申請後3号を発行してから開始される
3. すべてのWeb of Scienceへの収載申請において、まずESCI収載の審査を行う

ESCIの審査は半年を目安に終了し、審査が通った後、再度申請の必要はなくそのまま従来のジャーナル審査のプロセスに進みます。
従来の審査には数年の期間を要し、一度審査を通っても定期的に再評価が行われて基準を満たさなくなると収載を中止されます。

審査に関わるやり取りは英語で行う必要もあり、XMLやWebの知識も必要です。それらのスキルを持つ人材の確保は簡単ではありません。
そのような負担を軽減するためにも、SOUBUN.COMでは、ESCIはじめWeb of Scienceへの申請代行サービスを提供しています。申請時だけでなく、その後の再評価においても適切な対応を依頼することができます。

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