学会などの「人格のない社団」にも法人税や消費税などの税が課せられる?

学会は学術研究団体として、営利を目的としない「人格のない社団」として組織するケースがありますが、法人税や消費税、源泉所得税はどのようなケースで課されるのか、また忘れがちな法人住民税についても解説します。

「人格のない社団」とは?

株式会社、公益財団法人や一般社団法人などの法人格を所有する団体は「人」としての権利能力を付与されています。法人にもさまざまな種類がありますが、設立時にはそれぞれ決められた手続きに沿って届け出ることにより法人格が与えられます。
これに対して、「人格のない社団」とは、一定の目的を持つものが集まった、法人格を持たない団体で、管理者や代表者が定められているものを指します。たとえば、学会などの学術団体、学校のPTAやマンションの管理組合など、法人化されていない団体が該当します。

「人格のない社団」である学会でも課税されるケースがある

「人格のない社団等」は営利目的で設立された団体とは異なるため、法人税等の課税対象にならないイメージがあるでしょう。しかし以下の3つのケースでは、課税対象となることがあります。

ケース① 収益事業を行えば法人税が課せられる

学会の入会金や会費、学術集会や研修の参加費など、学会を運営するための費用の徴収は、収益とは見なされません。学会誌や会報を発行して会員へ配布するのも、収益事業とはいえないため、一般的には納税の義務はありません。
ただし、収益を得る行為には法人税納税の義務が発生します。状況によって判断が多少分かれるものの、以下のようなケースです。

・会報(学会誌)の内容が書店で販売した場合。
・会報を有償で非会員に販売した場合。
・会報に広告を掲載したり、ホームページにバナー広告を表示したりして広告収入を得た場合。
・抄録集を作って販売した場合。
・専門書籍を販売し印税を得た場合。
・学術集会の展示ブースを企業に有償で貸した場合
・研究請負をして謝礼を受けた場合。ただし、実費弁償方式の契約で特に収益がなければ、課税対象とはなりません。
・学会が保持する著作権などの使用によるロイヤリティを受けると、無体財産権を提供した場合。

ケース②対価性の取引があれば消費税が課せられる

国内において、書籍の販売や広告収入、研究請負料やロイヤリティ収入など対価性のある取引を行うと、法人格の有無に関わらず消費税を納めなければなりません。なお課税対象になるかどうかの判断は、法人税と消費税とでは異なるので注意してください。たとえば、研修の参加費などの収入は、法人税の課税対象ではありませんが、対価性があるので消費税の課税対象になります。

ただし、2事業年度前の年間課税売上高が1,000万円未満の場合は納税義務が免除されます。一方、基準期間の年間課税売上が1,000万円を超過すると、仕入税額控除後の課税対象額に消費税がかかります。とはいえ、特別な収益を目的にしていない場合は、消費税も非課税か少額で済む可能性は大きいでしょう。

ケース③給与や謝礼金を支払えば源泉所得税が課せられる

事務局スタッフや学術集会のアルバイトに支払う給与には、所得税が課税されます。そのため、学会運営者は、支払う際に復興税を含めた源泉所得税10.21%を預かり、翌月10日までに国に納める必要があります。講演者や通訳、会報の執筆者への謝礼、学会賞の賞金などにも所得税が課税されます。給与の支払い対象人数が10人未満の団体なら、手続きをすれば特例により年2回まとめて納税することが可能です。

忘れがちな法人住民税も納付義務の対象となる

人格のない社団も法人住民税の納税義務者であり、団体の住所地の道府県と市町村に納めなければなりません。法人税や消費税は支払わなくていい団体でも、支払う義務があります。
団体が得る収益に対して課税される法人税割と、団体の規模(資本金と従業員数)により課される均等割を合計します。納付期限は、事業年度終了の翌日から2ヶ月以内です。
なお、収益事業を行わない団体については、自治体によっては条件を満たせば免除、または減免申請できることがあります。

法人税の届出方法と納付期限について

法人税は、原則として事業年度終了日から2ヶ月以内に、所轄の税務署に法人税申告書を提出して納付しなければなりません。3月決算であれば、5月末までに届出を終える必要があります。
なお、前年度に法人税額が20万円を超えている場合、中間申告も行わなければなりません。

適切に税金を納付するために普段から心がけたいこと

学会で適切に税金を申告として納付するためには、経理担当者が複式簿記でお金の流れを記帳し、請求書や領収書などの証憑書類を適切に保存しなければなりません。税務に関する処理は、会報で会員に向けた簡易的な収支報告とは勝手が違います。
学会では、意図しないうちにしたことが収益事業と見なされてしまい、課税されることも少なくありません。でも実際には支出のほうが収益を上回り、赤字となっているケースもあるほどです。無駄に多くの税金を納めたり、納付し忘れて追徴課税を支払うことになったりするのを防ぐため、定期的に学会の税務に精通した税理士に相談することをおすすめします。

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