協会の設立・立ち上げ方法 | メリットと必要な手続き

協会を設立することで、同じ理念を持つ仲間を集め、新たな取り組みに挑戦することができます。しかし、その設立には十分な準備が必要です。今回は、協会設立のメリットデメリットや、立ち上げまでに必要な手続きをご説明いたします。

協会設立のメリット

①信頼度の向上

〇〇協会というブランディングを通じて、特定の分野において専門性と権威性のある団体と見なされることが期待できます。

関係者に安心してもらうことで、パートナーシップや協力関係を結ぶ際に有利になるでしょう。

また、「〇〇協会の代表理事」という肩書きは、多くの人々にとって、会社の役員や代表と同じ、もしくはそれ以上の説得力を持つと感じられるかもしれません。これは、自社の利益だけでなく、業界全体の利益に責任を持つ人と見なされるためです。

 

②資金の獲得

個人や企業ではなく協会を立ち上げ活動することで、新たな資金調達の機会も増えるでしょう。具体的には、講座の受講料や資格取得の検定料など、協会ならではのビジネスモデルによる収益があります。その他、寄付金や助成金などを得る機会もあります。

これらの収益から新たな活動に踏み出し、業界全体を盛り上げることもできるでしょう。

 

③同じ理念を持つコミュニティ

協会は共通の目標や関心を持つ人々が集まり、最近の情報を共有し、協力するコミュニティとして機能します。また、会員同士でのネットワークの創出や、業界の課題を考える機会を提供することも可能です。

同じ業界の他社・他の組織の人と関わる機会のない方にとって、協会のコミュニティは所属する大きなメリットとなるかと思います。

 

協会設立のデメリットとその対策

①ノウハウの流出

協会として活動する上で、ノウハウの流出は避けられない問題です。受講者に機密保持をお願いしたり、規約や契約で守秘義務を定めたりしたとしても、情報が出回りトラブルに繋がるリスクがあることを理解しましょう。

対策には主に2つの方法があります。

1.より厳格な規約・契約を定め遵守してもらう

契約書に同意してもらい、書面に記載された守秘義務に違反した場合の対応を周知しましょう。それにより、情報の流出を制限することが期待されます。

2.会員との信頼関係を強化する

会員にノウハウやコミュニティといった価値を提供するだけでなく、互いに信頼し合えるコミュニケーションを取ることで、協会の規約を遵守するよう促すことができます。

 

②事務の負担

協会設立のデメリットの一つとして、事務や税務の業務負担が挙げられます。協会を運営する上で会員の管理や活動の準備、個人情報保護、書類の整備など様々な事務作業が発生します。

また、理事等の役職を務める方には本職があり、協会の事務作業に手が回らない場合も多々あります。

対策としては、協会の事務所・事務局を外部に委託することは解決策の一つです。委託料はかかるものの、事務にかかる時間・手間を削減し、より本質的な活動に集中することが可能となります。

協会の設立に必要な条件は?

協会の設立に、何か明確な条件はありません。「〇〇協会を立ち上げる」と宣言すれば、それで協会を設立したことになります。もちろん、協会が組織として認められるためには、宣言するだけでなく人員や資金、規約や管理体制の整備も必要になります。

また、宣言のみで協会を組織する場合、後述する「任意団体」として扱われます。

しかし、協会としての影響力を強めたい時は、「法人」として協会を立ち上げることが多くあります。

 

任意団体と法人の選択

任意団体と法人の違いは?

任意団体と法人は大きく異なります。

任意団体は、法人格のない単なる人の集まりです。例を挙げると、サークルや町内会、学校のPTAなどの自治体も任意団体に該当します。

対して、法人とは設立に必要な手続きを行い、権利や義務が認められた組織を指します。例として、会社法人(株式会社等)、一般社団法人、非営利が原則となるNPO法人が挙げられます。

 

法人になるメリット

協会が法人として活動するメリットには、以下の3つがあります。

1.契約の主体となれる

土地や建物、車等の資産を法人名義で取得し、所有することが可能です。任意団体の場合は、個人の名義で契約書に署名しなければなりません。また、法人格であれば法人名義の口座を開設することも可能になります。

2.社会的信用が得られる

正規の手続きを踏み認められた組織とみなされます。また、法人は法律や制度に基づいて経営されるため、不正の心配が小さくなり安心感が生まれます。

3.補助金や助成金の申請

行政からの補助金や助成金を受領する条件として、法人格であることが設定されているものも多くあります。

 

法人化のデメリットや負担


デメリット・負担には以下の2つがあります。

1.設立の手続きが必要

必要項目を満たした上での法人登記か、行政機関からの認定が必要になります。

2.報告書類の提出義務

事業報告書の提出義務が発生し、任意団体と比較して事務作業の負担が増える可能性があります。

 

協会が一般社団法人を選択する理由

協会を法人として設立する場合、一般社団法人を選択することが多くあります。

一般社団法人はNPO法人を初めとした他の法人と比べ、人数や事業内容といった要件が少ないことが特徴です。また、設立までに要する期間も短く、設立しやすい法人形態と言えるでしょう。

加えて、入会の資格を限定できることも協会と相性の良い点となります。

例えば、NPO法人では会員資格を限定することができず、入会希望者は誰でも受け入れなくてはなりません。対して、一般社団法人は入会者を「〇〇の資格を持つ人」「〇〇の組織に属する人」などと一定の条件を定めることができます。

 

協会の目的・組織運営・事業の型

ここでは、協会を設立する上で必要な目的、組織、運営をご紹介します。

また、以下では協会を一般社団法人として立ち上げることを想定しています。

任意団体として協会を設立する場合は、下記のうち不要な項目もありますので、ご注意ください。

 

協会の目的:活動の基礎

協会設立の基礎となるのが活動の目的です。協会は同じ理念や目標を持つ会員が集まるコミュニティであり、その目的が明確でなければ協会の成功は難しくなります。

また、業界や社会に貢献する目的を掲げる協会が多くあります。

多くの協会では、社会や業界に対する問題意識を共有し、共に解決を目指すために活動しています。そのため、その目的は自然と社会貢献に繋がるのです。

 

協会の組織:代表、理事、社員の選出

協会を組織する上で、組織を経営・運営する代表者、理事、社員を構成する社員を集める必要があります。協会の設立メンバーの理念がそのまま協会の理念となるケースもあり、誰と協会を設立するかは非常に重要です。

また、ここで登場する社員は従業員という意味ではなく、協会の全構成員からなる最高意思決定機関「社員総会」で議決権を持つ人を指します一般社団法人を設立する際には、この社員が2人以上いることが必要です。

 

協会の運営:事業の型と収益

事業モデルの構築や収益源の設計など、具体的なイメージを持つことが必要です。ビジネスとして成立させるために、安定した収益を得る方法を計画しなければなりません。

協会のビジネスモデルにはいくつかの型があり、それに応じた運営方法を考えましょう。

例えば、協会の主な収益源が講座・セミナーの受講料であれば、講座の運用方法、受講料の金額、集客の方法等を細かく考えなければなりません。

また、協会が講師やインストラクターとしての資格を付与する、フランチャイズ型のビジネスモデルもあります。この場合、受講者が講師・インストラクターとして講座を開き教えることになります。そのため、講師に求める知識や技術の定義をしっかりと設定しなければなりません。加えて、実際に講座をスタートするためのアドバイスや法務・財務のサポートも考える必要があるでしょう。

また、その他の収益源として協会員からの会費、寄付、出版物の発行や商品の発行、スポンサー料(協賛金)等が想定されます。いずれにしても、運用方法や管理体制、細かい金額を設定することが大切です。

 

協会設立に必要な手続き・費用

協会設立までの手順

協会を設立するまでには、以下の手続きが必要となります。

①定款作成

定款は「法人の憲法」とも表される、組織の基礎的な規則をまとめたものです。自身で作ることも可能ですが、行政書士や司法書士といった専門家に依頼することも可能です。作成した定款を変更するには手間がかかるため、抜け漏れがないか十分に確認しましょう。

②定款の認証

作成した定款は、公証役場でチェックしてもらい認証を受ける必要があります。電子定款認証を利用し、オンラインで申請することも可能です。

③印鑑の作成

契約に必要な法人の印鑑も作成しましょう。合わせて、銀行口座を開設する際に必要な銀行印や、協会の名称と住所等を記載したゴム印も作ることで、後に必要な手間を省くことができます。

④法務局へ必要書類の提出

最後に、必要な書類を作成した上で法務局に提出しましょう。書類には定款や設立登記申請書、印鑑証明書などが必要となります。

 

協会の定款作成

協会を法人として登記する時には、協会のルールを記した定款の提出が必要です。協会の社員2名により、共同で定款を作成した上で、署名又は記名押印をしなければなりません。

定款には記さねばならない「絶対的記載事項」が定められています。書面に事項の不足があれば会社設立は認められないため、注意して作成しましょう。

絶対的記載事項は以下の通りです。

・商号
・協会の目的
・協会の所在地
・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
・発起人の氏名又は名称及び住所

知識がなく不安のある方は、経験の豊富な専門家にご依頼いただくことをおすすめいたします。

 

設立に必要な費用

協会の設立においては、主に以下の費用がかかります。

・協会Webサイトの開設費用

協会のWebサイトは会社の顔とも言えるため、機能とデザインが充実したサイトを作っておくべきでしょう。

SOUBUN.COMでは、協会に必要な機能を一式そろえたWebサイト制作サービスを行っております。また、個別の要望び合わせてWebサイトをカスタマイズすることも可能です。

以下のページから、サービスの詳細や制作実績をご覧いただけます。

学会ホームページ制作

・事務所の賃借料

協会のオフィスを借りるための賃借料が必要となります。ただし、代表者の自宅などを事務所とする場合は、当然費用は不要となります。

・定款などの規約作成費用

定款や会員規則などの書面を作成する際に、司法書士や行政書士をはじめとした専門家に依頼する場合は、費用が発生します。依頼料金は一般的に数万円から数十万円になります。

・一般社団法人の登記費用

登記には、登録免許税60,000円と、公証役場へ支払う定款認証手数料50,000円が必ず必要になります。

・印鑑登録費用

法的文書に使用する印鑑を登録するための費用が必要です。安く作るなら数千円、素材やデザインにこだわるなら数万円かかります。

 

協会のサポートならSOUBUN.COM

SOUBUN.COMでは、協会の事務にかかる負担を軽減する協会事務局代行サービスを提供しております。

申込・受付の窓口や会員管理の代行はもちろんのこと、税理士による会計業務や決算のサポートもご提供可能です。

ご提案が可能な設立のサポートの一例として、以下のようなサービスがございます。

・登記申請のサポート
・Webサイトの作成
・会員募集システムの提供
・運営開始後の事務局代行サービス

記載のない協会運営サポートも可能ですので、いつでもお気軽にお問合せください。

SOUBUN.COMの協会事務局代行サービスについてはこちら

 

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