学会発表(ポスターセッション)用ポスターの作り方ガイド

研究者にとってポスター発表はとても大切。
学会で初めてポスター発表をするとき、作り方がわからずデザインレイアウトに迷っていませんか。
ここでは学会発表用ポスターのサイズ、デザイン、レイアウトなどポスター作りのポイントを紹介します。

学会ポスターの用紙サイズを考える

学会のポスターセッションでは一般的に縦180cm×横90cm程度のケースが用意されているので、このサイズに合わせることを求められます。
多くの場合はA4サイズの12倍であるA0サイズが用いられます。
A3サイズの用紙を何枚か並べて1枚のポスターとする場合もありますが、大きな用紙に印刷した方が読みやすくなります。

また、海外の学会発表では横長の場合やサイズがフィートで指定されている場合も多いです。学会によってサイズや形式に細かい指定がある場合もあるので作成する前に必ず確認しておきましょう。

パワーポイントでのページ設定

学会発表用ポスターの作成では、パワーポイント(PowerPoint)を使うのが一般的です。
パワーポイントならスライドを好きなサイズに変更できるうえ、ワード(Word)に比べて自由にレイアウトを決められます。
また、illustratorなどの専用ソフトと比べると操作が簡単なのも特徴です。

パワーポイントでポスターを作り始めるときは、まず「デザイン」タブの「スライドのサイズ」から「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択して大きさを決めます。パワーポイントの場合は最大幅が142.22cmとなるため、それよりも大きい幅のサイズにする場合は縮小比を考えて設定します。

例えば前述のタテ180cm×ヨコ90cmのサイズにする場合は、縦横の比率が2:1であるためスライドの比率を変更します。

また複数のスライドを1枚にまとめたい場合は、各スライドを保存した上で拡張Windowsメタファイル形式に書き出しポスターサイズの別スライドに貼りつけましょう。

スライドサイズの変更画面

<スライドサイズの変更画面>

構成・レイアウトを考える

ポスターのサイズを確認したら次に構成・レイアウトを考えましょう。
ここではポスターに書く内容やレイアウトの基本を解説します。

①入れる内容を考える

ポスターの上部には演題番号やタイトル、所属、名前などを記載します。縦180cm×横90cmのケースに合わせてポスターを作るなら上部18〜22cmにそのスペースを設けましょう。

そして本文には目的、方法、研究の資料、結果(図・表・画像・グラフ等)、考察、引用、利益相反などを入れます。たとえば医療系や科学系の研究発表なら、背景、目的、方法、結果、考察といった流れでまとめるのが一般的です。

文字数が多くなってしまうと読み手は出だしの時点で興味を失う可能性があるため、できるだけ端的にまとめるようにしましょう。
最低限の文字数でポスターを作り、詳細は発表原稿としてまとめておくのがおすすめです。
聴衆の質問に答えられるよう、発表に対する想定質問をあらかじめ洗い出すことも忘れてはいけません。

②レイアウトを考える

ポスターのレイアウトにはスライド配置型フリーレイアウト型の2パターンがあります。
スライド配置型とは発表内容を何枚かのスライドにまとめ、それを大きな1枚の紙に配置するデザインのことです。一方フリーレイアウト型は白紙のスライドに文章や図、写真を自由に配置するデザインです。
フリーレイアウト型はスライド配置型よりもデザインの自由度が高く、見栄えのするポスターに仕上げられます。ただし自由度が高い分、統一感がなくなったりかえって見づらくなったりと難易度が高い側面もあるため状況に合わせて選択しましょう。

またどちらのレイアウトを採用する場合でも、左から右、上から下のように人の視線の導線を意識することが大切です。
まとまりのある見た目にするために、格子を意識して内容ごとにブロック分けをするといいでしょう。このとき周囲に3cm程度、ブロック間には5cm程度の余白をとると見やすくなります。


<レイアウト例>

③文字のサイズとフォント、色を決める

学会発表のポスターでは使用する文字のサイズやフォント、色といったデザインも重要です。
タイトルや見出し、本文や図表の文字、脚注などの構成要素はそれぞれ文字サイズを統一しましょう。

一般的にはタイトルは70~90pt、見出しは60~70pt、本文は32~40pt程度が目安です。図表内の文字や脚注は本文よりも小さいサイズにしましょう。

予定している印刷サイズより縮小したサイズで作成する場合には、縮小率を考えて設定することが必要がです。
前述の例では印刷サイズ180cm×90cmを70cm×140cmで縮小して作成するため、縮小の比率は約78%となります。
そのためタイトルは約54~70pt、見出しは約47~55pt、本文は約25~31ptとなります。

色についてはカラフルにしすぎないように注意しましょう。色を多用するよりも基本は黒、見出しは青、強調したいところは赤で表すなど、色を統一した上で使い方を工夫することで読みやすいポスターになります。

また、使用するフォントもポスターの読みやすさに関係します。日本語はゴシック体、英文はサンセリフ体のフォントが読みやすいでしょう。

下記がおすすめのフォントになります。

・メイリオ
・ヒラギノ角ゴシック
・MSゴシック

わかりやすく見栄えの良いデザインにするコツ

多くの人から見て分かりやすく見栄えの良いポスターを作るには、余白統一グループ化の3つがポイントです。

まずスライドや図の周囲には適度な余白をとるようにしましょう。文章を枠で囲う場合や図を貼り付ける場合、端まで詰めてしまうと非常に読みにくくなるからです。

また見出しのサイズや色、書き出しの位置、図表のサイズなどは同じにするようにしましょう。少しでもズレていると違和感や読みにくさにつながってしまいます。おさまりの悪いイラストや図表は四角の枠で囲うのもおすすめです。

さらにグループ化を意識すると、より伝わりやすいポスターになります。
たとえば関連する写真は文章の横に配置する、同じ種類の写真は色分けして一目で分かるようにする、長めの文章は要素ごとに箇条書きにする方法が挙げられます。

ポスターは一目で全体を見渡せる分、レイアウトやデザインが読みやすさに大きく影響します。これらのポイントを押さえ分かりやすく見栄えの良いポスターを作りましょう。

完成したポスター<完成版ポスター例>

完成後のチェックも怠らない

ポスターを入稿・印刷する前の時間に、誤字脱字やレイアウトのズレがないかをしっかりと確認しましょう。

パソコン画面の表示では実際の仕上がりがわからないため、A4サイズのPDFに印刷して確認するのがおすすすめです。

また、自分で作成したポスターは客観的に見ることが難しいため第三者のチェックを挟むと良いでしょう。
自分以外の人に
ポスターを見てもらうことで、新たな改善点が見つかる可能性もあります。

わかりやすく見やすい学会発表用ポスターを作るには、内容の充実度だけでなくデザインやレイアウトなども大切です。ここで紹介したコツを押さえて、魅力的なポスターを作成しましょう。

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