学会座長の依頼メール| 事前案内と座長の役割、メールの例文・構成のご紹介

学会の座長依頼メールでは、依頼内容を簡潔かつ丁寧に伝えることが大切です。しかし、どのように文書を書けば良いかお悩みの方もいるのではないでしょうか。今回は座長への依頼内容とメール作成のポイントを解説します。
学会座長の依頼スケジュール
座長候補者の選び方
まず、各プログラム・講演の座長を誰に依頼するか決定します。 座長の選定基準としては、一般に「専門知識」や「人柄」が基準になります。研究分野での知識はもちろん、セッションの責任者として発表を盛り上げることを期待することから、人柄も重視されています。また、国際学会では英語の対応が必須となるように、学会の性質に応じて適切な方にお願いしましょう。
学会に参加可能な座長を選ぶことも重要です。スケジュール調整の問題を回避するためには、毎年学会に参加する人(学生以外)から選ぶ、既に参加や申込済みの人にお願いする、事前に座長の内諾を得るなど様々な方法があります。
依頼内容を事前に整理
座長の依頼をする前に、依頼文の内容の整理を行いましょう。伝える情報に抜け漏れがあると、依頼の可否判断が難しくなってしまいます。特に学会の日時、開催場所、開催方法は正確に記載しましょう。誤った情報を伝えてしまうと後々のトラブルにつながる可能性があります。
また、依頼相手が参加登録を行っていない場合、参加登録と参加費についても記載しましょう。
依頼文に記載すべき情報は、以下になります。
・大会の日時と場所
・大会のWebサイト
・プログラムや講演の時間と場所
・座長の役割
・演者と演題一覧
・参加登録と参加費
・表彰審査など追加の業務
座長の仕事には一般演題の進行、指定演題での演者紹介や略歴紹介、発表時のタイマー管理(タイムキーパー)、質疑応答での質問の募集など、多岐にわたる業務があります。
しかし、依頼時のメールにすべての業務を詳細に記載すると、重要な情報が埋もれてしまう可能性もあります。特に伝えるべき情報を適宜選び、簡潔に整理して伝えるよう心得ましょう。
依頼メールを送るタイミング
依頼メールは3〜6か月前にお送りすることをおすすめいたします。余裕を持って依頼文をお送りすることで、依頼を断られた際に代わりの座長を探す時間を確保できます。
また、学会開催が集中する期間や、週末の土曜日曜に開催する場合は、座長の予定が既に埋まっているかもしれません。そのため、学会の開催日時が決まり次第、またはプログラムが決定次第、できる限り早めに依頼することが望ましいです。 もちろん、依頼するタイミングは学会の規模やスケジュール、開催日時により異なります。過去の依頼データを参考に、依頼する時期を決めるのも良いでしょう。
【依頼メールに間違いは厳禁】
依頼メールの誤字脱字・誤表記は厳禁です。文章にミスがあれば、依頼を断る判断をされる可能性があるばかりか、その後の関係悪化にも繋がりかねません。
以下に想定される依頼文のミスを記載します。
・誤字脱字
・「様」「先生」などの表記揺れ
・名前や肩書きの誤記
・開催日や返信期限の記載忘れ
・添付ファイルの忘れ
・送信先の間違い
これらを防ぐためにも、メールを送る際には十分な校正を行いましょう。
座長依頼メールの構成
【構成のポイントは?】
メールの構成において大切なのは、依頼内容をわかりやすく伝えることです。そのため、情報の過不足や順序に注意を払いましょう。「どこに何が記載しているかわらない」「文量が多く読む気にならない」と思われぬよう、依頼の承諾・拒否の判断に必要な情報を適切に記載しましょう。
【依頼状の具体的な構成は?】
学会の座長への依頼メールには、以下の構成を用いると良いでしょう。
項目 | 内容 |
件名 | 依頼内容を簡潔に伝える |
宛名 | 依頼対象の所属・肩書き・お名前を記載 |
挨拶 | 「お世話になっております」など |
名乗り | 送り手の所属組織・肩書き・名前を記載 |
依頼の要旨 | 依頼内容を一言で表す |
大会の詳細 | 依頼する大会の日程と内容 |
プログラムの詳細 | 依頼するプログラムの時間と内容 |
返信の期限 | 送信日から7〜10日程度の期限を設けましょう |
結びの言葉 | 「よろしくお願いいたします」など |
署名 | 所属・肩書き・名前・事務局の連絡先を記載 |
座長依頼文テンプレート
学会の座長依頼メールのテンプレートは、以下になります。テンプレートはあくまで一例です。学会の規模やスケジュールや進め方に合わせて文言を調整しましょう。
件名:【2/28(土)開催 日本△△学術集会】演題発表の座長のご依頼
〇〇大学 教授
〇〇先生
お世話になっております。
日本△△学会 年次学術集会 大会長の田中太郎と申します。
この度は2/28(金)〜3/2(日)に開催する「第10回日本△△学術集会」において、演題発表のセッションの座長をお願いしたく、ご連絡させていただきました。
【大会の詳細】
大会名:第10回日本△△学術集会
開催日時:2023年2月28日(金)から3月2日(日)
会場:オンライン開催
大会テーマ:神経細胞科学の新たな地平
大会Webサイト:taikai.example.com
【セッションの詳細】
セッション名:「神経細胞の分子メカニズム」
時間:2月28日 午後2時〜4時
演題の詳細:添付の抄録をご確認いただきますようお願いいたします
発表審査:本プログラムでは、座長の皆様に若手研究者の審査もお願いしております。詳細については、大会事務局より案内のメールをお送りいたします。
また、本学会では座長の先生にも参加登録と参加費のお支払いをお願いしております。
お手数をおかけしますが、【9月9日(金)】までにご返信いただけますと幸いです。
ご検討のほどお願い申し上げます。
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田中 太郎
第10回日本△△学術集会 大会長
TEL: 080-xxxx-xxxx
Mail: tanaka@example.com
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返信が来ない場合の対応方法
催促メールを送る
期限の当日になっても返事が来ない場合には、返信を催促するメールを送り対応する必要があります。依頼メールの内容をあらためてお送りし、メールを確認しているか、検討していただけているかを確認しましょう。
ただし、催促メールによって相手に不快感やプレッシャーを与えてはいけません。お願いする立場であることを忘れず、「ご覧いただけましたか」「ご検討の程はいかがでしょうか」など、やわらかいフレーズを使い確認することが大切です。
【催促メールの例文】
件名:【再送】日本〇〇学会 年次学術集会 座長依頼
〇〇大学 教授
〇〇先生
お世話になっております。
日本△△学会 年次学術集会 大会長の△△です。
先日送信させていただきましたメールが届いているか確認の上、再度送信させていただきます。
【大会の詳細】
大会名:第10回日本△△学術集会
開催日時:2023年2月28日(金)から3月2日(日)
会場:オンライン開催
大会テーマ:神経細胞科学の新たな地平
大会Webサイト:taikai.example.com
【セッションの詳細】
セッション名:「神経細胞の分子メカニズム」
時間:2月28日 午後2時〜4時
演題の詳細:添付の抄録をご確認いただきますようお願いいたします
発表審査:本プログラムでは、座長の皆様に若手研究者の審査もお願いしております。詳細については、大会事務局より案内のメールをお送りいたします。
また、本学会では座長の先生にも参加登録と参加費のお支払いをお願いしております。
何卒、【9月16日(金)】までにご返信いただけますと幸いです。
重ねてのメールとなり、大変恐縮ではございますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
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田中 太郎
第10回日本△△学術集会 大会長
TEL: 080-xxxx-xxxx
Mail: tanaka@example.com
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【学会座長の台本 】
学会で一般演題の発表や講演を行う際、座長に台本(手引き)をお渡しすることが一般的です。台本には司会進行の手順やセリフ、トラブル発生時の対応方法、システムがあればプログラムの検索機能などのやり方、服装や持ち物などが記載されており、学会の運営マニュアルとしての役割を果たします。
詳しくはこちらのページをご覧ください:学会座長向け台本の作成方法
【学会座長へのお礼 】
学会終了後は座長の依頼を引き受けてくださった先生にお礼の言葉を伝えることが大切です。学会の座長には謝礼金や交通費をお渡ししないことがほとんどです。報酬が無い中で学会発表や講演の準備と進行を務めていただいた座長に対し、まずは率直な感謝の言葉を伝えましょう。
詳しくはこちらのページをご覧ください:学会座長へのお礼|メールのテンプレートも記載
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