海外演者の方に謝金を送金する際、源泉徴収の対応はどうなるか?

学会や講演会の演者の方に謝金や講演料を支払う場合、報酬・料金等として所得税・復興特別所得税を支払側で源泉徴収する必要があります。
では、謝金を支払う相手が海外居住者だった場合はどのように対処すべきなのでしょうか。
今回は法律や税金のことは詳しくないという方に向けて、源泉徴収の基本からおさらいしつつ、その内容を簡単にご紹介します。

謝金・講演料の源泉徴収の基本

学会や講演会に際して講演料や原稿料を支払う場合は、謝金、取材費、調査費、車代など支払いの際の名目に関わらず、全て源泉徴収の対象になります。

また、旅費や宿泊費の支払いに関しても原則的には源泉徴収の対象になります。

しかし、通常必要な範囲の金額で講演料や原稿料の支払者が直接ホテルや旅行会社等に支払った場合は、源泉徴収の対象にはなりません。

居住者の原稿料・講演料の源泉徴収額の計算方法の基本

源泉徴収を行わなくてはならない所得税額及び復興特別所得税の額は支払金額(源泉徴収の対象となる金額)に対して次のようになります。

100万円以下  支払金額×0.1021

100万円超  (支払金額-100万円)×0.2042+102,100円

※求めた税額に1円未満の端数がある場合は切り捨て。

(国税庁 「No.2795 原稿料や講演料などを支払ったとき」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2795.htm より引用)

(例)200万円の原稿料を支払う場合

 (200万円-100万円)×0.2042+102,100円=306,300円

この場合に源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は306,300円になります。

海外居住者(・非居住者)への謝金支払い時は源泉徴収が必要なのか?

さて、いよいよ今回の本題である「海外居住者(法律用語では、海外居住者は「非居住者」となります)への支払い時の源泉徴収」についてになります。

海外居住者への源泉徴収が必要なのはどのような場合なのでしょうか。

日本の所得税法では、非国内居住者及び外国法人でも、日本国内で稼得した国内源泉所得については課税の対象となります。

要するに「海外に住んでいて日本以外に納税している人でも、日本国内で稼いだお金には源泉徴収が必要」ということです。

つまり海外居住者が日本で講演を行なった場合に受け取る報酬には、源泉徴収が必要なのです。

しかし、これは裏を返せば「海外で講演を実施した場合の報酬は国内源泉所得に該当しないため、源泉徴収の対象にならない」ということになります。つまり、講演自体は海外で行われたが報酬は国内から支払うという場合には、源泉徴収の必要はありません。

また、講演者が来日して行なった講演への謝礼を支払う場合、講演者の居住国を確認することが大切です。

講演者の居住国と日本との間に租税条約があれば、源泉徴収額が免税になったり、低い税率になる場合があります。

租税条約の適用のためには、税務署などに一定の届け出や申請書を支払いの前日までに提出する必要があります。
もしも提出が間に合わなかった場合でも、一旦国内法に基づいた税率で源泉徴収と納付を行なった後に「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書」を提出することで、源泉税の減免額までの差額を還付してもらうことが可能です。

また、非居住者の源泉徴収の税率に関しては以下のページをご覧ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2884.htm 

(国税庁「No.2884 源泉徴収義務者・源泉徴収の税率」より)

海外居住者によるオンライン講演の場合の源泉徴収

昨今ではオンライン講演という形で学会や講演会に参加する形も増えています。

海外居住者がオンラインで講演を行い、それに謝金を支払う場合はどのように対処するべきなのでしょうか。

先程、「講演自体は海外で行われ、報酬は国内から支払う場合には、源泉徴収の対象にはならない」と説明しました。
これがオンライン講演の場合にも当てはまります。

一体どういうことなのか、2パターンに分けて説明します。

 

①海外居住者の講演者が日本国内から講演する場合→源泉徴収の対象になる

海外居住者が来日した上でオンライン講演を行なった場合の報酬は、国内源泉所得と判断されるため、源泉徴収の対象となります。

※講演者の居住国と日本の間に租税条約がある場合はそちらが優先。

②海外居住者の講演者が海外から講演する場合→源泉徴収の対象にならない

海外居住者がそのまま海外からオンライン講演をする場合の報酬は、国内源泉所得と判断されないため、源泉徴収の対象にはなりません。

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