【徹底解説】WEBオンライン学会の開催事例と実施方法は?

2021年も昨年に続き新型コロナウイルスの影響により、多くの大会が会場での開催を断念されました。
一方で、学会を中止させないために、オンラインで学術大会を開催した学会・研究会もございました。
この記事では様々な形式の実例をご紹介します。

オンライン学会の実施パターン

オンライン学会・バーチャル学会を開催すると言っても様々な実施方法があります。
大きくは「映像を配信するパターン(LIVE配信、録画済の動画配信)」と「映像を配信しないパターン」に分類されます。

映像・動画を利用する場合

オンライン学会において映像・動画を利用する場合には、例えば以下のような開催事例がありました。

①Zoom等のWEB会議ツールを用いてリアルタイム(LIVE)で発表を実施

WEB上に大会タイムテーブル画面や各演題の抄録画面を掲載し、Zoom等のWEB会議室へのリンクを表示させることで、リアルタイムで行われる発表に簡単にアクセスしてもらうことができます。2021年も多くの学会がこの実施方式を採用しています。オンラインでの学会開催でも研究者同士の交流が図れることや会全体としての盛り上がりも期待できる点などで満足度が高いですが、リアルタイムである分、接続や運営がスムーズにいくように当日までの事前の準備を念入りに行う必要があります。また、会場に発表者が集まり参加者向けに講演を配信するか、発表者が各自の環境から配信するかなどの配信形式の選択によっても必要な人員や機材等が異なります。

②YouTube等を活用し発表者が事前録画した動画データをオンラインで公開

WEB上の大会タイムテーブル画面や各演題の抄録画面にVimeoやYouTube等へのリンクを埋め込み、各発表動画を視聴してもらうことができます。
発表者全員分の公開に限らず、例えば招待講演者の発表のみを録画して公開し、ポスター発表はデータ掲載のみという形もあります。
参加者に限定して公開したい場合にはVimeoやYouTubeといったシステムを利用して限定公開するなどで実施することが可能です。また、質疑応答については抄録画面でコメントを受け付ける方法と動画配信システム自体のコメント欄を活用する方法がありますが、大会システム上であれば質問と回答がスレッドで確認できるなどのメリットもあるため、前者の採用が多い傾向にあります。

③動画とLIVE配信を組み合わせて発表を実施する形式

上記2つを組み合わせて、演題ごとにLIVE配信か動画配信か選べるパターンもあれば、発表自体はVimeoで行い質疑応答はLIVEで行うというようなパターンもあります。この場合、会期が1日だと想定すると、

当日午前:動画を公開し、参加者に動画を視聴してもらう。コメント欄も用意して、質問も受付

当日午後:複数の発表演題をまとめて質疑応答の時間をLIVEで設け、順番に発表者から質問へ対応

というような流れとなります。Zoomで動画を共有する手法もありますが、その場合、配信トラブルが発生しやすくなります。しかしこのような方法であれば、参加者の交流も確保しながら運営も維持できます。

 

オンライン大会の配信例

資料のみを公開する場合(映像無し)

映像・動画を利用しての開催が難しい場合は、以下のように抄録・資料のみを公開するという方法もあります。

①抄録のみオンラインで公開
WEB上で大会の抄録を公開し、大会実施としてみなす方法です。
(印刷した要旨集・抄録集を個別に参加者へ発送するケースもあります)

学会のホームページに特設ページを作成して参加登録者のみにパスワードを設定・提供し、そのページの中に抄録を載せることで閲覧してもらう方法や、学術大会専用のクラウドシステムを使用して公開する方法があります。
専用クラウドシステムの場合には、以下のような機能を使うこともできます。
・キーワードや著者名、カテゴリ、日程など、あらゆる条件での講演検索機能
・スケジュール登録した講演を自分の抄録集としてPDF化する機能

②抄録だけでなく、発表スライド等もオンラインで公開
発表スライドや補足ファイルも抄録と併せて公開することがあります。
学会のホームページに特設ページを設ける場合には、抄録と同様にその中に載せて参加登録者へ公開します。
学術大会専用クラウドシステムを利用する場合には、発表者自らがアップロードできるようにする形と主催者がファイルを集めて一括アップロードする形があります。
アップロードされたファイルは大会の参加者に限定して公開され、オンライン会期中のみ公開し終了した後にまとめて非表示にすることも可能です。
学会によってはファイルのダウンロード防止、テキストコピー防止を望まれるところもありますが、PDFファイルであればそのような対応も可能です。

その他、付随する対応例

上記の開催方法と組み合わせて、以下のような開催方法も考えられます。

①オンラインでの企業展示
大会特設ページやクラウド型大会システムのWEBプログラム内に、各出展企業に時間を割り当て、LIVE動画配信をしてもらったり、事前に提出してもらった動画を公開したりする方法があります。
ページのどこかにバナーなどを設置し、LIVEシステムや動画へリンクを貼る方法などもあります。

②オンラインでのコメント機能活用
学術大会専用クラウドシステムには、WEB抄録上で発表者に対しての質問やコメントができる機能があります。
WEB抄録で公開された論文・発表スライド・補足ファイル等を確認した参加者が、質問や意見があるときに各演題・ポスター毎にコメントを投稿する機能です。
会期終了後に引き続きコメントを受け付けることも、会期終了のタイミングで非表示にすることも可能です。
講演や抄録への「いいね!」やコメント機能、メッセージ送信機能を使えば、大会を通じて参加者同士の繋がりが深まります。
このようなコメント機能の利用にあたっては参加者への告知が重要です。

オンライン学会の事例(予定含む)

※開催規模は公開情報からの推計で、開催後の人数は変動する可能性がございます
※開催内容は本記事作成時点の情報となりますので、随時引用元学会様にて内容が変更となる場合がございます

第126回ロボット工学セミナー(規模500人未満)

特別価格で本セミナーが実施され、視聴される方の安全を考慮し、複数人視聴を制限。
詳細リンク:https://www.rsj.or.jp/event/seminar/news/2020/s126.html

サービス学会第8回国内大会(規模500人未満)

国内大会を中止し、発表者の提出されたペーパー、ポスターセッション参加者のペーパー等をプロシーディングにまとめています。
口頭発表予定者の方がオンラインで発表会を開催。また、ポスターセッションからの発表もあり、急な開催にもかかわらず延べ200名弱の方が視聴されました。
詳細リンク:http://ja.serviceology.org/events/domestic2020.html

第59回日本生体医工学会大会(規模500~1,000人)

現地開催の中止に伴い情報交換会は中止とし、プログラムについてはビデオ会議システムZOOMを用いて、同日程でのオンライン開催を予定。
詳細リンク:https://ww2.med-gakkai.org/jsmbe2020/oshirase/

言語処理学会第26回年次大会(規模500~1,000人)

オンライン会議システム Zoom を使用し、口頭発表はセッション毎に設置したオンライン会議室で行いました。
発表者はスライドを画面共有し、発表。その後、参加者とオンラインで質疑応答を実施。ポスター発表も実施しています。
また、大会の実行委員会が主催者となり、オンラインでの懇親会も実施するなど、オンライン会議をフル活用しています。
詳細リンク:https://www.anlp.jp/nlp2020/#online-report

第34回日本助産学会学術集会(規模1,000人以上)

インターネット学術集会として実施。参加者へIDとパスワードを発行し、専用サイトへログインする形式です。
期間を設けて、全てのプログラムが配信されました。抄録集はWeb上の配信となり、紙媒体はありませんでした。
詳細リンク:https://admedic.co.jp/jam34/measures_corona.html

第20回日本核医学会春季大会(規模1,000人以上)

参加登録、購入手続きが完了している受講者を対象としてウェブでの講演を実施予定。
マイページ上に、ウェブ受講期間になると、講義資料(講義動画配信と講義テキストPDF公開の2種(いずれもダウンロード不可))を表示。
※ウェブ開催期間中は何度でも繰り返し講義動画視聴、並びに講義テキストPDF閲覧が可能です。
※印刷のテキスト本は2020年6月下旬頃に郵送予定。
音声付きの動画配信となりますので、インターネット環境とPC(スピーカーまたはイヤホンなど音声が出力できる環境)があれば受講可能。
詳細リンク:https://www.jsnm-spring.org/information/

サポートサービスご案内

SOUBUN.COMではオンライン大会のフルサポートを実施しております。
2020年、webオンライン学術大会関連について、弊社へのご相談件数は100学会様以上となり、2021 年はさらに件数が増えている状況です。様々なご要望やご相談にご対応致しますので、お気軽にお問い合わせください。
※各都道府県庁・省庁等の公的機関様からのご依頼・ご発注の実績もございます。

 

まとめとサービス紹介リンク

これまでご紹介したように、オンライン学会にも様々な開催のパターンや対応がありました。
円滑にオンライン大会が実施できるよう、上記事例の中から各学会に適した形で、対応をご検討いただければと思います。
また、今後は5Gの展開など益々オンライン上での環境が整備されていき、自然災害による中止リスク低減からも感染対策以外でのオンラインでの開催の意義は増すものと考えます。

実際に現地に集まり熱い議論や深い懇親を交わすことも学会の重要な役割ですので、集合型の会場での大会が無くなる事はないと思いますが、集合型とオンライン型をハイブリッドに開催できるような仕組みを作っていく事で、これまで会場に参加できなかった方がオンラインから参加できるようになるなど、大会参加の裾野も広がると感じております。

SOUBUN.COMでは学術大会支援に関するサービスを幅広く提供しております。
大会運営に関するご相談やサービス内容はこちらをご覧ください>>

学術大会

学術大会の記事をもっと見る

学会運営ジャーナルTOPへ

全国対応可能!学術大会運営サポート 100名~1万名規模まで幅広く対応可能
学会専門会社だからできる 学会運営がラクになる 学会HP制作
ネット印刷には真似できない充実のサポート 学会誌・学術誌 印刷サポート
学会事務局運営代行 煩雑な業務を代行して、時間もコストも削減
お問い合わせ
学会運営相談 無料相談はコチラ
学会総合サポート企業国内No1
“とりあえず概算見積もりだけ” とりあえず概算見積もり
“専門スタッフに相談したい” 専門スタッフに相談 
“今すぐサービス資料が見たい” サービス資料が見たい