学会大会中止の対応例(新型コロナ・台風・地震等)

新型コロナウイルスによる集合型イベントの中止だけでなく、昨今は地震や台風など異常気象を含む様々なリスクが学術大会運営で懸念事項としてあがっています。 この記事では、これら有事に対して、保険の適用有無や返金業務の内容など、各学会がどのような対応を行なっているか事例を紹介致します。

学会大会が中止となった事例

新型コロナウィルスによる中止例

毎年3月は学術大会の盛んとなるシーズンですが、2020年のこの時期に、世界規模で大きく感染拡大が起こったのが新型コロナウィルス(COVID-19)です。

政府からも緊急事態宣言が発令され、外出自粛・移動の自粛などが求められ、
感染拡大防止のため3密(密閉空間、密集場所、密接場面)を避けるという要請により、多くの学会が影響を受ける事となりました。
2020年の春だけでなく、夏以降も多くの学術大会が中止を余儀なくされました。

地震での学術大会中止例

1995年阪神淡路大震災、2011年東日本大震災、2018年北海道胆振東部地震など、地震に起因する大会中止も多くみられます。
地震による学会中止は開催地が震源地の場合、災害規模や交通網などへの影響状況によって中止の判断を実施しています。

台風での学術大会中止例

台風で中止となった例は2017年18号台風、2018年台風24号台風、2019年台風19号の他、数多く事例があります。
こちらは人への被害という面だけでなく、飛行機への影響状況、交通機関への影響状況によって物理的な移動が難しいと判断される場合は中止となっています。

当然の事ながら、これら全ての中止例については、参加者・発表者の安全を第一に判断を実施しているものとなります。

学会大会中止に伴う対応の流れ

続いて、学術大会が中止となった場合の具体的な対応の流れをご紹介します。

大会中止の決定と案内

多くの学会様では理事会、幹事会の承認を持って大会中止の意思決定がなされます。
告知については大会ホームページ、会員用のメーリングリスト、書面での発送と様々です。
大会中止のご案内文例としては、以下のようなものが多いようです。

【文例】
1.挨拶文(大会中止の案内)
○○での開催に向けて準備を進めておりました,第○回大会は,今般の感染症の流行拡大と,それに伴う社会情勢等を受けまして,残念ながら中止を決断するに至りました。

2.今回大会の取扱いについて
例1)講演要旨集は郵送にて発送し、それをもって大会開催とする場合
大会で発表予定だったプレゼンファイル,ポスター等を掲示・閲覧できる期間限定の会員用Webサイトを学会事務局で開設・運営します。
例2)講演要旨集を作成せず、webでの公開もしない場合
開催自体が中止となり、要旨集の発行もいたしませんので、論文の発表実績とはなりません。

3.大会の参加費に関する返金等の対応についての記載
<返金額、方法の通知>
講演要旨集(○○円)を除く参加費、懇親会費を○○の方法で返金いたします
<返金に関する諸注意>
発表申込料の払い戻しは致しません.
研究発表会の中止に伴う旅費,宿泊費のキャンセル料等の費用は一切負担いたしません.

4.web大会開催に向けて事務局への問い合わせに誘導
オンライン大会サイトを立ち上げましたので,ご活用頂けますと幸いです。
URL:https://~
<アクセス方法>
この後お送りする参加者用メーリングリストに記載のID、パスワードを入力の上アクセスください。

5.文末挨拶
今回の措置については苦渋の選択となりましたが,ご理解の上,今後とも〇〇会についてのご支援・ご鞭撻をよろしくお願いします。

英語でのご案内文例

新型コロナウイルスにより学会延期を実施した際、英語での記載例をみてみましょう。

▼文頭例
Owing to the global spread of the Coronavirus (Covid-19), ○○ have decided to postpone the 2020 until 2021. Once the new dates are confirmed, we will inform you at the earliest.
コロナウイルス(Covid-19)の世界的な広がりにより、○○学術大会は2020年を2021年まで延期することを決定しました。新しい日付が確認され次第、できるだけ早くお知らせします。

▼文末例
Thank you again for your support and we very much look forward to seeing you in 2021 to share the joys of academic exchanges and the excitements of innovative findings.
ご支援ありがとうございます。学術交流の楽しさと革新的な発見の興奮を共有するために、2021年にお会いできることを楽しみにしています。

文中については、日本語文例と同様に、各学会ごとにどのような対応を行うか具体的な内容を記載しましょう。

学会中止と保険について

学術集会等、イベントの主催者が契約できる損害保険(イベント保険)があります。
たとえば、自然災害等により学術集会が中止となり、会場や借り上げ機材にキャンセル料が発生した場合、あるいは参加者に返金するために事務経費が発生した場合などの損害を補償します。
補償内容については、損害保険会社との打ち合わせによりオーダーメイドで決定します。また、開催日の14日前までに契約することが必要です。保険が適用できない事例もありますので、前広に損害保険代理店にご相談ください。

参加登録者・演題登録者等への返金対応

▼中止に伴い全額返金を行うケース
いくつかの学会については、大会の準備状況に関わらず、全額を返金する、という対応をとっているところもあるようです。
また、延期の場合に、このような対応をとられる事例があるようです。
特にこのケースでは、参加費の支払いが科研費等の公的資金より支払われてる場合は速やかに手続きをする必要があります。

▼諸費用を差し引いての一部返金を行うケース
比較的多いケースが講演要旨集を印刷し配布、もしくはweb公開し、それをもって大会開催とみなし諸費用を差し引いての一部を返金するパターンです。
この場合の事例としては、大会参加費については返金せずに、交流会・懇親会費のみを返金するなどの対応となります。
中には正会員は費用負担なし、論文発表希望の非会員のみ参加費徴収するパターンもあります。

▼一切返金を実施しないケース
このケースは、事前に参加登録者へ返金ポリシーをご案内する形で、いかなる場合にても返金はしかねる旨を明記しています。
中止後は退会開催諸経費への充当、もしくは学会への寄付金として処理し、みなし開催も行われないというパターンです。
場合によって、講演集などを発行している場合は別途送付を行い、みなし開催となりますが、その他懇親会費などの返金はありません。

抄録集の発送やオンライン公開を実施する例

これまでの例の中にも出てきたように、集合形式での学術集会が中止となった場合でも、集めた演題を抄録集の形で印刷し、参加者へ発送を行ったり、抄録のオンライン公開を実施することで、 大会や論文発表を成立(研究・論文公開)したとみなす事例があります。

今後の展望と大会中止の回避策

様々な自然災害リスクと隣り合わせである学術大会の運営について、バーチャル開催という選択肢が、模索され始めてきています。
技術的なハードルや実施後に発見された課題など、まだまだ万全とはいかない声も伺いますが、技術の進歩や回数を重ねるごとに、より良いものとなっていく事と思われます。

オンライン学会に関する事例をまとめましたので、下記の記事もぜひご覧ください。
【WEBオンライン学術大会】事例と実施方法 >>

また、中止となった場合の対応法方法も、各学会様で型となる基本ルールを整理している例も多く見られます。
大会開催時点で、こうした有事における基本ルールと対応の型を用意しておくと、トラブルを最小限にする事ができますので、この機会に大会運営に関するルールと型をあらためてご検討してみてはいかがでしょうか。

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