印刷・製本はどこまで任せられる?SOUBUN.COM自社工場の設備と工程
書籍や冊子などの印刷物は、印刷機で紙に出力するだけでは完成しません。本文や表紙の印刷、製本、断裁、検品、梱包など、いくつもの工程を経て一つの製品に仕上がります。
80年以上にわたり学会・学術団体を支援してきたSOUBUN.COMは、東京都荒川区西尾久に自社の印刷・製本工場を構えています。工場では、原稿や印刷物の仕様に合わせて設備を使い分け、スタッフが仕上がりを確認しながら、印刷から製本、加工、梱包までの製造工程を進めています。
こうした設備と人の連携により、ページ数の多い冊子や、モノクロとカラーが混在する冊子、小ロット(少部数)の印刷など、さまざまな仕様に対応しています。また、冊子だけでなく、チラシ、案内状、請求書、払込票、封筒などの印刷物についても、加工や封入、発送まで行っています。
本記事では、SOUBUN.COMの自社工場で印刷物がどのように作られているのか、設備や工程の使い分けとともに、自社工場ならではのものづくりをご紹介します。

一台ですべて刷らない。印刷物に合わせた設備の使い分け
SOUBUN.COMの工場では、一冊の冊子をすべて同じ印刷機で出力するとは限りません。
学会誌や論文集、研究報告書、技術報告書、シラバス、学会プログラム集、抄録集・要旨集、会議資料など、工場で扱う印刷物もさまざまです。
本文、カラーページ、表紙では、使う紙や求められる仕上がりが異なります。そのため、仕事の内容や用紙、仕上がり、後工程、設備の稼働状況などを見ながら、使用する印刷機を振り分けています。
現在の生産の中心となっているのが、版を作らずにデータから直接印刷するPOD(プリントオンデマンド)です。「オンデマンド印刷」とも呼ばれ、必要な部数を必要なときに出力できるため、小ロット・少部数の印刷にも適しています。
SOUBUN.COMの工場では、学術団体からのさまざまな印刷物のご依頼に対応するため、小ロット・多品種の印刷にも柔軟に対応できる生産体制を整えています。
モノクロ本文の印刷
文字中心の本文には、キヤノン製のモノクロ印刷機「varioPRINT 6220」を使用しています。
学会誌や論文集、研究報告書などでは、本文のページ数が多い一方、必要な部数は数百部から1,000部程度ということもあります。
大量印刷を前提とせず、必要な部数をスピーディーに出力できることが、PODを中心とした自社工場の強みの一つです。
また、オフセット印刷のように製版して刷版を作る工程を必要としないため、印刷前に誤植などが見つかった場合でも、原稿データを修正して再出力できます。刷版をやり直す必要がなく、修正から印刷までを進めやすいこともデジタル印刷のメリットです。
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カラー印刷は、用途や仕上がりに合わせて使い分ける
カラー印刷には、リコー、キヤノン、富士フイルムのカラー印刷機を使用しています。
冊子では、リコー製の「RICOH Pro C9500」やキヤノン製の「imagePRESS V1000」を本文に使用し、富士フイルム製の「Revoria Press EC1100」を表紙に使用することが多くなっています。
ただし、「この印刷物には必ずこの機械」と固定しているわけではありません。
用紙、求める仕上がり、その後の製本工程、機械の稼働状況などを見ながら、使用する設備を決めています。用紙によって色や光沢の見え方も異なるため、仕上がりを確認しながら印刷機を使い分けています。
例えば、本文はモノクロ、一部にカラーページがあり、表紙には厚めのカラー用紙を使用するといった冊子では、それぞれの仕様に適した設備を使い分けて印刷します。
一台の印刷機ですべてを仕上げるのではなく、印刷物の内容や仕様に応じて設備を組み合わせることで、モノクロとカラー、異なる種類の用紙が混在する冊子にも柔軟に対応しています。印刷後はそれぞれの用紙を製本工程で一冊にまとめ、指定された仕様に仕上げます。
複数の機械があることそのものではなく、作りたい印刷物に合わせて設備を使い分けられることが、お客様のさまざまな仕様に対応することにつながっています。

印刷した用紙を冊子に仕上げる製本工程

印刷した本文と表紙は、製本工程で一冊の冊子に仕上げます。
製本方法には、本文の背を糊で固めて表紙でくるむ「無線綴じ」や、用紙を二つ折りにして中央を針金で留める「中綴じ」などがあります。SOUBUN.COMでは、冊子の厚みや仕様に合わせて製本方法を使い分けています。
無線綴じでは、製本機(バインダー)に本文を入れ、背の部分に糊を付けて表紙と組み合わせ、冊子の形にします。
デジタル印刷では、印刷機からページ順に出力した用紙をそのまま製本工程へ進めることができます。そのため、従来のオフセット印刷で必要だった、印刷した大きな用紙をページごとに折る「折り」や、ページ順にそろえる「丁合」といった工程を減らすことができます。
印刷から製本までの工程を短くできることは、小ロットや短納期の印刷物に対応しやすい理由の一つです。

(製本の様子 左:無線綴じ 右:中綴じ)
製本では、本文と表紙を正しい向きで組み合わせることも重要です。表紙が逆向きになったり、本文の向きが反対になったりすると、印刷自体が正しくても冊子としては不良品になってしまいます。
そのため、機械で冊子の形にするだけでなく、表紙と本文の向きや仕上がりを確認しながら製本を進めています。
また、冊子の厚みや仕様によって適した製本設備が異なるため、製品に合わせて設備を使い分けています。
仕上がりを整える断裁・加工工程
製本した冊子は、A4やB5など、指定された大きさに切りそろえる「仕上げ断裁」を行います。
冊子の上下や開く側を切りそろえることで、ページの端や余白が整い、最終的な仕上がりが決まります。SOUBUN.COMでは、永井機械製の断裁機「NC-80HHDT」を使用しています。
断裁するときは、冊子をそろえて機械にセットし、指定された寸法に合わせて切断します。ただし、数値を設定して切れば終わりではありません。冊子がずれた状態でセットされていたり、断裁位置がわずかにずれたりすると、文字や図表が切れたり、余白の見え方が変わったりします。
そのため、断裁後には実際の冊子を確認し、寸法だけでなく、ページの端や全体の仕上がりも見ながら作業を進めています。
印刷や製本だけでなく、こうした最後の仕上げまで工場内で確認しながら進めることで、一冊の完成品として仕上げています。

機械だけでは分からない部分を、人が確かめる
デジタル化が進んでも、印刷物づくりのすべてを機械だけに任せているわけではありません。
SOUBUN.COMの工場では、印刷後の汚れやムラ、トナーの付着、用紙のシワや状態、印刷位置や表裏、表紙や本文の向き、製本後の仕上がりなどを、各工程でスタッフが確認しています。
印刷物は、同じデータを使用していても、用紙や仕様によって仕上がり方が異なることがあります。そのため、機械から出力されたものをそのまま次の工程へ送るのではなく、実際の印刷物を見たり触れたりしながら状態を確認し、必要に応じて調整します。

また、工程や設備、発送作業ごとにチェック項目をまとめたチェックリストを設け、担当者が目視確認を行いながら作業を進めています。完成部数や数量についても確認し、次の工程へつなげます。
設備の性能を活かしながら、最後は人の目と手で品質確認を行う。こうした確認を各工程で積み重ねる品質管理によって、印刷から製本、発送まで品質を保ちながら製品を仕上げています。
POD印刷を支える工場内の連携と仕上げ
SOUBUN.COMの工場では、通常の印刷・製本に加えて、急ぎのご依頼や短納期の案件に対応することもあります。
短い納期に対応するためには、単に印刷機を速く動かすだけでは足りません。印刷、製本加工、仕上げ、梱包、発送まで、それぞれの工程の進み具合を見ながら、作業の順番や優先順位を調整する必要があります。
工場では、後の工程に作業が集中しないよう、先に進められる作業は前倒しし、必要に応じて予定を組み替えながら全体の流れを整えています。また、スタッフ同士で進捗を共有し、次の工程へスムーズにつなげることで、限られた時間の中でも作業が滞らないようにしています。
印刷から製本、仕上げ、梱包、発送までを自社工場内で一貫生産の体制があることも、短納期に対応しやすい理由の一つです。工程ごとに作業が分断されにくいため、状況に合わせて全体の進行を調整できます。
そのため、「大会や発送日が迫っている」「予定より早く冊子が必要になった」といった場合でも、印刷だけでなく、製本や発送まで含めて相談することができます。
PODによる印刷のスピードだけではなく、各工程を連携させながら、納期に合わせて全体を組み立てられることが、SOUBUN.COMの短納期対応を支えています。
冊子だけではない。端物も印刷から発送まで
SOUBUN.COMの自社工場で作っているのは、学会誌や論文集などの冊子だけではありません。
ポスター、チラシ、はがき、挨拶状、案内状、請求書、払込票、封筒など、冊子の形になっていない印刷物の制作や加工にも対応しています。冊子と一緒に使用するものだけでなく、学会や団体の事務局から単独で依頼されることもあります。
また、急ぎで印刷物が必要になった場合など、自社工場で印刷から加工まで進めることで対応できるケースもあります。
印刷後の加工まで、用途に合わせて対応
端物は、印刷して終わりではありません。用途に応じて、断裁、折り、筋入れ、ミシン加工などを行い、実際に使用できる状態まで仕上げます。
例えば、はがきや大会で使用するネームカードは、まとめて印刷した後、一枚ずつに切り分けます。厚紙を折る場合には、きれいに折れるよう筋を入れ、払込票や領収書には切り離し用のミシン目を入れることもあります。
A3用紙を二つ折りにしたり、A4用紙を三つ折りにして封筒へ入れたりするなど、発送方法に合わせた加工にも対応しています。こうした折り加工では折り機を使用し、印刷物の用途や用紙に合わせて仕上げます。
そのため、お客様が印刷後の加工を別の会社へ依頼する必要がなく、必要な形に仕上げるところまでまとめて相談できます。
一件ずつ内容が異なる印刷物も、封入・発送まで
会員へ送付する請求書や払込票などでは、氏名、住所、金額などを一件ごとに変えて印刷するバリアブル印刷を使用します。
氏名や住所などの個人情報を含む印刷物についても、情報管理に配慮した環境のもとで取り扱っています。
データを発送順に整えたうえで印刷し、窓付き封筒などへ封入する際には、封筒の宛名と中に入れる書類の内容が一致しているかを目視確認します。
また、冊子、挨拶状、請求書、払込票、案内状など、複数種類の同封物を一つの封筒へまとめて発送することもあります。送付先によって入れるものが異なる場合にも、発送先ごとに仕分けを行い、 内容を確認しながら封入作業を進めます。
SOUBUN.COMでは、印刷だけでなく、加工、封入、発送までを自社内でつなげて対応しています。必要に応じて、会員ごとの個別発送や一括発送にも対応しています。
そのため、「冊子と案内状を一緒に送りたい」「会員ごとに内容の異なる請求書を発送したい」といった依頼も、複数の会社へ分けて手配せず、印刷から加工、封入、発送までワンストップで相談することができます。
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印刷から製本・発送までSOUBUN.COMにご相談ください
SOUBUN.COMの自社工場では、PODを中心としたデジタル印刷を活用しながら、印刷物の仕様や納期に合わせて設備や工程を組み合わせています。
印刷から製本、加工、封入、発送、納品までを一連の流れで対応し、各工程では人が仕上がりを確認しながら作業を進めています。機械の性能だけに頼るのではなく、実際の印刷物を見ながら確認を重ねることで、品質を保ちながら製品を仕上げています。
また、学会誌や論文集などの冊子だけでなく、案内状、請求書、払込票、封筒などの印刷・加工にも対応しています。必要に応じて複数の印刷物をまとめて封入し、発送までつなげることも可能です。
設備、人の確認、工程同士の連携を組み合わせながら、さまざまな印刷・製本のご要望に柔軟に対応できることが、SOUBUN.COMの自社工場の強みです。
東京で印刷・製本工場への依頼をご検討の方、小ロット・少部数や短納期の印刷・製本についてお困りの方は、SOUBUN.COMまでお気軽にお問い合わせください。




